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剣道と作文

ある少年剣道の道場では、子どもたちが夏休みに作文を書きます。剣道に関わりがあればなんでもOK。

その作文を読ませていただく機会があり、とても驚きました。「大人でもこんな感性豊かな作文はなかなか書けない」と思いました。小学校低学年でも、稽古中に先生が言った言葉を引用したり、自分の気持ちを正直に書いていました。

作文のテーマ

ざっくりと「剣道」というお題は出されていましたが、読んでみるといくつかのテーマにカテゴリ分けできました。

作文の効果

私はこの作文の取り組み、とても素敵だなぁと思っています。

まず、書いたことを先生はちゃんと読んでて稽古にも生かしています

「この子はこんなことを考えて剣道をやっているんだ」「こんなことを楽しいと思うのか」「こんな風になりたいんだな」と、先生も子どもを知るきっかけになるようです。普段の稽古のなかで改まって聞けないけれど、「作文」という形で自己表現することで先生とのコミュニケーションに一役買っているんだなと思いました。驚いたのは、先生が稽古中に話した内容やフレーズがそのまま正確に書き出されていることでした。子どもにとって、大人の言葉は大人が思う以上にインパクトがあるのかもしれません。適当なこと言えないし、大人が使った言葉がそのまま子どもの頭に残るから、言葉を選ぶ責任があるなと思いました。

また、剣道に関わりがなくても、文章を書く習慣はきっと子ども達の助けになります。大人になってからも、文章を書く機会は実はついてまわります。

文章を書くのが苦手すぎて「習いたい」という人もいるくらいですし、正確に文章が書ければ仕事もスムーズです。

さらに、作文は全部原稿用紙に書かれていたので、漢字を調べないといけないし、人に見せるものだからきっと清書もしたはずです。一つの作文が出来上がるまでに色々な作業が発生して、書く本人は大変だけど、必ずプラスになると思いました。

飾らない気持ちを書く

最後に、この作文全体ですごくいいなぁと思ったのが、子ども達が自分の気持ちを自由に表現しているところでした。もしかしたら「この言葉は変えたほうがいい」と大人のアドバイスも入っているかもしれませんが、どれも本人が書いた言葉なんだろうなと読んでてわかりました。自分の気持ちを正直に書けること面倒くさがらずにきちんと作文を完成させることは、この企画を考えた先生の力だと思います。先生を信じていなかったり正直な気持ちは書かないし、ナメてたら作文は適当に仕上がってくる気がします。

企画自体も素敵ですし、ハンドリングする先生もすごいなぁと思った出来事でした。