56カ国が参加、第17回世界剣道選手権会大会


2018年9月14日から16日まで開催された世界剣道選手権大会を観にいってきました。開催場所は韓国の仁川(インチョン)です。
会場は、ホテルから車で30分くらいの場所だったのですが、「韓国はタクシー安いよ」と教えてもらっていたのでタクシーで移動しました。30分走っても1000円いかなかったので本当に安い。
ただ、英語が全く通じず、韓国語しか通じなかったので大変でした。タクシーの運転手さんにアルファベットで書いた会場の名前を見せたところ「英語はだめ。韓国語で表示して」的なことを言われました。アルファベットもダメなの?!

ホテルの近くで食べたサムギョプサル。安くて美味しかった

参加国は56カ国

世界大会が初めて開催されたのは1970年、開催国は日本です。その時の参加国は17カ国でしたが、今回は56カ国
プログラムの最後に「歴代入賞一覧」があるのですが、第一回大会のときは、第3位に「沖縄」が入っていて、そっかー沖縄返還前の開催だったんだーと時代を感じました。
開催は三年に1回で、会場は立候補制。以前は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ……世界で持ち回りだったそう。

前回の開催が日本、今回は韓国だったので、ヨーロッパ勢からすると遠くて大変。
次回の開催はフランスとのことなので、オランダ・ベルギー・ドイツらへんの人たちはバスや車でもいける距離になりましたが、アメリカ勢からすると、また遠い地域になっちゃったなーって感じかもしれません。

団体戦・個人戦、男女ともに日本が上位独占

日本の選手はみんな強くてかっこよかったです。でも、韓国人もかっこよかったなぁ。
結果は、主催国韓国よりもどこよりも、日本の全剣連が試合結果をまとめてくださっていました。
以下に、簡単に抜粋します。

男子団体戦
優勝:日本
準優勝:韓国
3位:アメリカ、台湾

女子団体戦
優勝:日本
準優勝:韓国
3位:ニュージーランド、カナダ

男子個人戦
優勝:安藤翔
準優勝:Jin Yong JO
3位:Byung Hoon PARK、竹ノ内 佑也

女子個人戦
優勝:松本 弥月
準優勝:山本 真理子
3位:藤本 美、妹尾 舞香

男子団体の応援が白熱してた

16日の男子団体戦の決勝、私は日本で映像で観たのですが、白熱してて応援がすごかったですね。
14日の男子個人、15日の女子個人団体は、私は会場で見ていたのですが、日本がいいところ打つと韓国の方々も拍手してくれたりしてたので、そんなに応援酷くない気がするけどなと思ってたのですが、最終日はやっぱり白熱しちゃうんですね。

例えば、オランダの隣で応援してたどこかの国の試合も、白熱してくるとみんなどうしても声出てしまって、「拍手だけだよー!落ち着いて!」とオランダ人に言われてました。

どんな人が参加しているの?

56カ国も一体どこから参加しているんでしょう。上位入賞している日本や韓国、ブラジル、ニュージーランド、カナダなんかは、安定してずっと強いです。台湾やタイ、セルビア、フランスも強くてかっこよかった。
でも、中には一人しか参加していない国もあります。

アルーバって知ってますか?

今年、世界大会もあるということで日本の国際武道大学にオランダから3人、剣道留学している人たちがいます。そのうちの一人が、オランダ領アルーバ出身。

「オランダ領の小さな島だよー」と言われてたのでオランダの近くにあるのかなと思ったら、全然遠かった!

アルーバのピム

写真は、アルーバ出身のピムくん。15才から剣道をはじめて、恩師の先生から武大への留学をすすめられたそうです。
オランダ領ではあるものの、住んでる場所が全然違うので、オランダ人と性格も違いラテンな呑気な感じがします。
世界大会の個人戦予選が終わった後に、オランダのみんなが「ピムはどこ?ピム知らない?」と探し回っていました。
ピムはカフェでコーヒーを飲んでて、「ピム、みんながピムを探してるよー。決勝トーナメント始まるんじゃない?」と教えてあげたところ「僕は予選で負けたよ。何だろう?パーティーかな?」と言ってました。パーティーなわけあるか!と思いましたが、ピムらしい回答だなぁと思いました。ちなみに、みんながピムを探していた理由は、敗者復活戦でした。

国境を越えて出稽古に来る子も

オランダでは毎月2回、ナショナルチームトレーニングという練習日があって、ナショナルチームのメンバーはその日にみんなで集まって稽古をします。
その稽古に、わざわざノルウェーから飛行機に乗って参加する代表の子もいます。

北欧・ノルウェーチームのみなさん

ノルウェー代表のリンダは、中国系のノルウェー人。笑顔が可愛くて、しかも知性もにじみ出てる女性です。世界大会に向けて稽古したいから、とわざわざ飛行機で出稽古に来てます。すごい。

40才初出場の女性剣士も

スウェーデンに住む佐藤さんは、これまでは監督として試合に参加していましたが、今年選手として初出場。
個人戦では、スーパー高校生の妹尾舞香さんと試合をしていて敢闘賞を受賞していました。本当にいろんな人が参加してる……

武大、国士舘、筑波に留学する剣士たち

オランダに住んで初めて知ったのですが、ヨーロッパの熱心な人たちは、日本の大学に剣道留学をしています。
国際武道大学に留学する人もいれば、筑波大学に留学する人も。
また、会場で話したハンガリーの方々はめちゃくちゃ日本語がうまくて、「どうしてそんなに上手なの?」と聞いたら「僕たち、国士舘に留学してたので」と流暢な日本語で答えてくれました。知性がにじみ出てる人たちでした。

今回、オランダは女性が団体戦ベスト8、敢闘賞を小関咲世(Sayo VAN DER WOUDE)さんが受賞、男子が団体戦ベスト16、個人戦は女子の小関咲世(Sayo VAN DER WOUDE)さんがベスト8、フルーアさんがベスト16でした。咲世さんは、個人戦も団体戦も敢闘賞をもらっていてめちゃくちゃかっこよかったです。彼女も、お兄さんのJoukeくんも、国際武道大学に留学していたそう。

最終日は、サヨナラパーティー

海外剣道では「サヨナラパーティー」というものがあって、試合の最終日やセミナーの最終日にパーティーが開催されます。
みんな色々な想いを持って参加した世界大会だったと思いますが、56ヶ国の様々な剣士たちと、楽しくパーティーして帰ってきてくれるといいな。

今回の試合を観て、ますます剣道とオランダが大好きになってしまいました。選手の皆さん、お疲れ様でした!


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横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。