日本の伝統文化の一つである剣道。海外でも広がりを見せており、ヨーロッパには2万人の有段者がいます。陸続きなので国同士の交流も盛んで、コロナ前には私が住むオランダの剣道セミナーにも多くの国から参加がありました。
国際間での移動が再開し始めた2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻を開始しました。この記事では、剣道を通して培った友情、そして今まさにウクライナで苦しい状況を強いられている剣友たちのために書きました。もし良ければ、最後までご覧いただけますと幸いです。
目次
ウクライナ剣道代表、ヨーロッパ剣道選手権大会に参加
5月27日(金)から5月29日(日)まで、ドイツのフランクフルトで欧州剣道選手権大会(EKC)が開催されました。この大会はヨーロッパ最大級の剣道の祭典です。
この大会に、戦争中のウクライナチームも参加しました。ヨーロッパ剣道界や、日本の先生方から支援を受け、クラウドファンディングで資金集めをしての参加でした。
クラウドファンディングの発起人は、パリ在住の Evgeny Andreev (エヴゲニイ)さん。
大会に参加するまでの経緯や試合当日の様子に関しては『なぜ戦争中のウクライナ剣士たちは国際大会に参加できたのか ヨーロッパの国境を越えた“剣道の理念”』にまとめましたので、ぜひご覧ください。
大会後、ウクライナに帰ってボランティアに奔走
大会に参加できて本当に良かったし、みんなで助け合えたことは素晴らしいことだったと思います。
この大会で初めて知り合ったウクライナ剣道連盟会長の Kostyantyn Stryzhychenko (コスチャ)さんには、記事執筆のために色々なお話を聞きました。
やりとりを続ける中で、大会が終わってウクライナに戻ってから、彼がボランティア活動に奔走していることを知りました。車で街を駆け巡り、通信システム、食品など、ウクライナ軍が必要しているものを探しているそうです。
ロシアの侵攻が始まってから4ヶ月が経ちました。コスチャさんたちは、剣道も再開していてつい先日Kremenchug(クレメンチュグ)で剣道セミナーを開催。でも、その翌日にショッピングセンターにロケットが飛んできて破壊されたそうです。
戦争の最中でも、彼らの日常は続いています。
コスチャさんのボランティアワークを支えるために、ノルウェー元剣道代表選手の Dag Storli (ダグ)さんが新たにクラウドファンディングを立ち上げました。英語で書かれているので、以下に日本語訳と寄付方法を記載します。
ウクライナのKharkiv(ハルキウ)でのボランティア活動の支援
こんにちは、ノルウェー在住のDagです。ハリコフでボランティア活動をしている剣友のKostyantyn(コスチャ)を助けるために資金を集めたく、このクラウドファンディングを始めました。
コスチャは燃料の調達に困っています。ノルウェーには古い電気自動車がたくさんあり、コスチャに電気自動車を送れば、彼の活動がずっと楽になります。
日産リーフの価格は5,000ユーロ前後で、ウクライナに送るにはさらに500ユーロかかります。 世界中の友人たちが一人5ユーロ助けてくれれば、この目標への長い道のりを歩むことができるでしょう。しかし、時間がないことに留意してください。ノルウェーのEVは、他国と同様に供給不足に見舞われていいます。つまり、あまり遅れると価格が上がり、供給が減る可能性があるのです。
コスチャはウクライナ剣道チームの代表で、私は長年ノルウェーチームの代表を務めてきました。私たちは競技者として、また友人として、何年も前から付き合っています。
これは彼のボランティアの旅路や救援活動への協力の呼びかけです。なお、必要な金額が集まらなかった場合は、返金されます。
寄付方法(スマホから)
まずはスマホからの寄付方法です。『Helping volunteer work in Kharkiv』にアクセスすると、以下の画面に遷移します。
「Donate now(今すぐ寄付)」のボタンを押すと、以下の画面に遷移します。
「Enter your donation(寄付金額を入力)」の部分に金額を入力し、「Tip GoFundMe services(クラウドファンディングサービスへのチップ)」へのパーセンテージを選びます。これはチップを払いたくない場合は0で大丈夫です。
入力が完了したら「Continue(続ける)」をクリックしてください。
わからないことなどありましたら、コメント欄などでお気軽にお尋ねください。
戦争が長期化する場合、彼らにとって最も恐ろしいことは世界から忘れられることではないでしょうか…。いつか彼らとまた稽古できる日を願っています。どうかご支援をお願いいたします。