今日は小話ブログです。
日本に帰ってきてから少年剣道の取材をするようになりました。取材がてら私も一緒に稽古しているのですが、
- 大きな声で挨拶をしなさい
- 人の目を見て話しなさい
- 姿勢を正しなさい
- キビキビ動きなさい
- 自分に負けないこと
- 自分のことは自分ですること
- 自分の頭で考えること
- 整理整頓をすること
こういった言葉を横で聞いていると、私自身にも変化が生まれているように感じます。大人だから、むしろ教えたり見本にならなきゃいけないんですけどね。
剣道の良いところは「人間教育」にも重きを置いているところだと思います。剣道がなぜ「人間形成」につながるのでしょうか。他の武道や芸道にも共通するのですが、ざっくりいうと「一つの道を極めることで己の人間性も磨かれる」という日本人的な考え方が根底にあるようです。
平安末から徳川に至るいわゆる日本の中世には、武術以外の諸芸能や文学なども秘伝として伝承していく形式が見られる。技を中核とするものが、禅思想などの影響で、技の追及を通して自己を見つめるといった意味をもつようになり、日本固有の伝統的民俗文化として発達してゆくことが中世文化の特質のひとつである。
『武道のすすめ』中林信二
子どもには難しいので、シンプルなメッセージを少年剣道の先生方は伝えているように感じます。
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オランダ移住をして衝撃的だったことがいくつかあるのですが、中でも驚いたのが「日本人が日本人を騙す」ケースでした。人を騙してお金を手に入れて、生活をするという…。いったいどんな育ち方をしたらそうなってしまうのでしょう。
また、騙された人たちの話を聞くと、どこか自分の人生が他人事の人もいるように感じました。よく考えずに甘い話に乗ってしまうことや、自分で望んで海外に来たのに、他人に自分の人生をなんとかしてもらおうとする人もいるように感じます(すいません、えらそうに)。
そういう場面を見た後だと、このメッセージの大切さや尊さをより一層感じます。
- 大きな声で挨拶をしなさい
- 人の目を見て話しなさい
- 姿勢を正しなさい
- キビキビ動きなさい
- 自分に負けないこと
- 自分のことは自分ですること
- 自分の頭で考えること
- 整理整頓をすること
挨拶がしっかりできて、目を見て話してくれる人には良い人の縁が集まってくると思います。話している時に、だらっとした姿勢で、聞いているのかいないのかわからない人と話すよりも、綺麗な姿勢でちゃんと話を聞いてくれる人の方が好感度がずっと高いです。
順序立てて整理整頓された生活からは、きちんとした仕事が生まれるでしょう。
「楽しようとしてないか」「自分に負けていないか」問いかける癖がついているかどうかもすごく大切です。
意識的・無意識的にせよ、子どもたちの心には、少年剣道の先生方が伝えようとしたメッセージがきちんと残っていると思います。人生の岐路に立った時に、子どもの頃の先生が頭に顔を出して、その子の人生をきっと助けてくれるんだろうなぁなんて、取材を通して感じました。