2016年も始まり、そろそろ確定申告の時期が近づいてきました。私は昨年の5月に会社を辞めて6月から個人事業主になったので初めての確定申告です。
今回の記事では、「開業ってどうやるんだろう?」「そもそも確定申告ってなに?」というところからスタートした自分が、参考にした色々な書籍やwebサービスなどを紹介していきます。
目次(時系列順)
- 税務署に個人事業の開業届を提出
- 国民の三大義務の一つ、納税
- 「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出
- 青色申告と白色申告、どっちがいいの?
- 「事業開始等申告書(個人事業税)」を郵送
- 個人事業・確定申告の基礎知識を身に付ける
- そもそも「確定申告」って?
- おすすめの書籍・サイト
- Googleアラートへの登録
- 会計サービスfreee(フリー)に登録、法人用口座の準備
- 会計サービスfreee(フリー)に登録
- 会計用口座の準備
- 売上や経費をまとめる
- 売上の管理に関して
- 自宅兼事務所の場合の家事按分(かじあんぶん)
- 月額支払のAdobe cloudやMicrosoft Officeは通信費
- カフェでの作業費は雑費で登録
- 疑問点を調べる
- 税理士さんに相談
1:税務署に個人事業の開業届を提出
会社を退職してからは、まず「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」を税務署(上野税務署)に、「事業開始等申告書(個人事業税)」を都道府県税務署(台東都税事務所)に提出しました。
国民の三大義務の一つ、納税
「らくらく個人事業開業のすべてがわかる本」には「開業することは税金を払うこと」とあります。学生の時に「国民の三大義務は教育・勤労・納税」と学びましたが、開業をするとこの言葉がぐっと身近になるかもしれません。会社員時代は給与明細もきちんと確認しませんでしたが、私の場合は開業をきっかけに「税金」をかなり意識するようになりました。
では、国民の義務の一つである「納税」…特に個人事業主の税金にはどのような種類があり、どこに納めるものなのかを見ていきたいと思います。
まず、売上から経費を差引いた利益に対して、所得税と個人事業税が課されます。所得税(と消費税)は税務署に納める国税、個人事業税は各都道府県税事務所に納める地方税です。かなり基本的なことかもしれませんが、「税金によって納付先が違うのか」と驚きました。
個人事業主として開業したことをお知らせするために、税務署には「個人事業の開業・廃業等届出書」、都道府県税事務所には「事業開始等申告書(個人事業税)」をそれぞれ提出する必要があります。また、その際に、税務署には「所得税の青色申告承認申請書」も提出しなければなりません。この届出は、確定申告に関わってきます。
「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出
「個人事業の開業・廃業等届出書」は原則として開業してから1ヶ月以内に提出をします(ただ、提出しなくても特にペナルティはないようです)。届出は、国税庁のホームページからダウンロードできますが、私は上野税務署に取りに行きました。届出の中で、「これはどこにマルをすればいいのかな…」と迷う部分もあったため、職員の方に相談したり、その場で薄く鉛筆でマルをつけてもらえた点が良かったです。受け取った届出は、後日、清書して提出をしました。
青色申告と白色申告、どっちがいいの?
「個人事業の開業・廃業等届出書」と同時に、税務署で「所得税の青色申告承認申請書」も貰い、こちらも職員の方に色々聞きながら記入・提出をしました。その際、迷ったのは「青色申告と白色申告、どちらにすればいいのか?」ということです。当時は、まだ確定申告がどういうものなのかもきちんと理解できておらず、「青色申告は難しいけど、優遇される」くらいの知識しかありませんでした。
「フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技」では、青色申告・白色申告のメリット・デメリットを踏まえた上で、白色申告を勧めているのですが、いつか法人化したいという気持ちがあったのと、帳簿を細かくつけて事業の収入・支出を管理したかったので、青色申告にしました。ちなみに本書で白色申告を勧めている理由は、帳簿付けが大変な上に、税務署のチェックも厳しくなるためです。記帳の大変さに関しては、後に申し込んだ会計ソフトのfreeeがすごく便利で、確定申告もスムーズにできそうなので、青色申告を選択してもそんなに大変ではなさそうです。周りのフリーランスの方々に聞いてみても「最初は白色だったけど、freeeを使ったら青色でも大丈夫そうだったので切りかえた」「青色は大変だけど、勉強になるよ」という声が多かったです。
「事業開始等申告書(個人事業税)」を郵送
税務署で書類を記入・提出した際に、都道府県税務署(台東都税事務所)に提出する「事業開始等申告書(個人事業税)」の用紙と郵送先の住所も教えてもらいました。こちらの届出の書き方も税務署で教えてもらえたので、台東都税事務所宛には行かず郵送で済ませています。
2:個人事業・確定申告の基礎知識を身に付ける
「ネットの検索だけで基礎知識は身につけられる」という方も周りにはいるのですが、必要知識の範囲が分かる書籍があると安心で、私は2冊購入しました。
そもそも「確定申告」って?
確定申告とは、簡単に言えば所得税を納めるための申告です。個人事業主(フリーランス)は、1月〜12月までの売上や経費をまとめ、納税する所得税を申告する必要があります。
- 期間:1月1日~12月31日の1年間
- 課税対象:事業利益
- 提出期間:2月16日~3月15日(土曜や日曜の場合は翌週の月曜が期限)
ちなみに、個人事業主が納めなくてはいけない税金は所得税、住民税、個人事業税、消費税の4種類で、うち住民税と個人事業税も確定申告を元に計算されます(消費税は、個人事業を始めてから2年間は免除となるため、今回は納めなくて大丈夫なようです)。
おすすめの書籍・サイト
大村 大次郎
¥1,706
確定申告をする際に、「そもそも確定申告ってなに?」というレベルの私でも理解できる内容で大変役立ちました。経費に出来るもの・出来ないものの区別や、控除について知識が身についたと感じます。
東京シティ税理士事務所
¥1,470
開業届や青色申告の届けを出す際に参考になりました。節税や記帳の方法も色々書いてあるのですが、私は売上や経費の管理はfreee(フリー)を使っているのでこの部分はあまり参考にしていません。
webサイトでよく利用したのは、経営ハッカーとMFクラウド公式ブログです。検索したら上位に記事が出てくるのがこちらの2サイトというのもあったのですが、多くの記事がとても参考になりました。
Googleアラートへの登録
もう一つ、Googleアラートも活用しています。アラートに「確定申告」と登録しておくと、関連記事やセミナーの情報が流れてきます。Googleアラートから流れてきたセミナー告知を見て、出てみようか少し悩んでいます。
3:会計サービスfreee(フリー)に登録、法人用口座の準備
会計サービスfreee(フリー)に登録
「個人事業主になるし、何か会計ソフトを持っておいた方がいいかな」と思い、何となく登録したのがfreee(フリー)でした。他にも会計ソフトはありますが、きっかけは、Facebookの広告でよく見かけたことや、無料で始められる点…だった気がします。
最初は全く使っていませんでしたが、数ヶ月たって、そろそろ領収書を登録しなくては…と使い始めました。月額980円でここまで出来るの?!と
ものすごく便利で感動しました!webサービスを使ってこんなに「すごい!」と思ったのは初めてかもしれません。機能はもちろん便利なのですが、操作がスムーズなこと、領収書の登録がスマホのアプリと連動していてすぐに出来ること、ちょっとした項目の選択に関してやサポートの丁寧さなど、かゆいところまで手が届くと感じます。
会計用口座の準備
freee(フリー)と同期対応している銀行のうち、ネット銀行の老舗で大手のジャパンネット銀行に口座を開設しました。ワンタイムパスワードのトークンがついていたり、何かと安心…というイメージがあります。銀行カードをデビッドカードにすることもできるため、
経費の引き落としはほとんどデビッドカードを使っています。カードを使用すると勝手にfreeeと同期してくれるのですごく便利です。
4:売上や経費をまとめる
書籍を読んで「これは経費になりそうだな」と思うものは領収書をもらって保管し、一度10月に一斉に経費登録を行いました。本当はこまめにやったほうが良いのですが…。登録した領収書は何枚かまとめてクリップで留め、月ごとの封筒に入れています。さらに月ごとにまとめた封筒を輪ゴムで束ね、100均で購入したプラスチックケースに入れて保存しています。スクラップブックに貼る方法もありますが、貼るのが面倒な方には封筒の管理はおすすめです。
売上の管理に関して
売上の管理については、ジャパンネット銀行の口座とfreee(フリー)を紐付けているため、自動で登録されます。Web制作の場合、振込は月に多くて2〜3件のため、そこまで管理は大変ではありません。また、freee(フリー)では、請求書の作成・PDF化も出来て、振込予定日をお知らせしてくれます。なお、会社によっては、源泉徴収によって所得税が事前に引かれているため、確定申告時に気をつけなくてはいけません。
自宅兼事務所の場合の家事按分(かじあんぶん)
1designは自宅を事務所としても使用し仕事をしているために、仕事で使っているスペースを経費とすることができます。これを家事按分(かじあんぶん)と言うのですが、どれくらいの割合を申請できるか自分で面積を測って算出します。
月額支払のAdobe cloudやMicrosoft Officeは通信費
ソフトフェアは「ソフトウェア代」という勘定項目がありますが、仕事で使用しているAdobeソフトやMicrosoft Office製品は月額支払のため、勘定項目は「通信費」になります(※下記の参考サイトでの記載の他、freeeのサポートにも確認済)。
参考:Adobe Creative Cloud はどう仕訳するか?【複式簿記de青色申告】
カフェでの作業費は雑費で登録
web制作のフリーランスは、打ち合わせの合間にカフェで作業…ということも珍しくないと思います。私もけっこうな頻度でそういったことがあるのですが、その際の領収書の勘定項目は「雑費」となるようです。
5:疑問点を調べる
書籍やwebの記事を読んだ時、人から話を聞いた時に疑問に思ったこと、会計ソフトに登録をしていてわからないことがあった場合は、疑問をそのままにせず、随時調べたり、freeeのサポートに問合わせをしています。これまでの10通ほどメールで質問をして、丁寧に回答を貰いました。「夫が青色申告専従者になる場合(うちの場合は国籍が異なるのでFAQだけの回答だと不安…)」「税務署への申請の際、青色申告の簡易簿記形式を選択したが、複式簿記形式での申告に変更できるか?」「自分のプライベート口座に移したい場合」など、検索だけではすぐに答えがでない疑問を解決する際に、とても助かりました。
6:税理士さんに相談
個人事業を開業してから「やっぱり税理士さんに頼んだほうがいいのかな?」「でも誰に頼もう…」と迷うことがありました。最初は知り合いの方に紹介してもらうことも考えたのですが、同時に見積もり比較サイトでの問合わせや、freeeが提供する税理士さんの紹介サービスを活用しました。
「freee 税理士・会計事務所検索」から何社か見積もりを依頼したのですが、どの税理士さんも大変親切で好印象でした。「freee(フリー)」で完結しそうなら、特にまだ申し込まなくてはいいのではないでしょうか?」と一人の税理士さんに言われたのもあり、今回は一人で経理処理をしていますが、最終的にはチェックなど申込むかもしれません。
まだ確定申告前の経費登録や減価償却、事業貸主の登録など、疑問が解消されていない部分もあり完了していませんが、1月中には作業を完了し、2月の提出時にすぐ確定申告を提出する予定です。
今回の記事は準備編だったため、引き続き調べたり、人に聞いたりしながら身につけた知識を記事にしていきたいと思います。