「今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則ー『ジャイアントキリング』の流儀」を読了しました。本書は大人気サッカー漫画「ジャイアントキリング」を題材に、著者であり楽天大学学長の仲山進也さんが自身の経験から得た「チームビルディング」について分かりやすく解説したビジネス書です。ジャイアントキリングを読んでいなくとも(サッカーファンでなくとも)楽しめる一冊です。また、ジャイアントキリングを既に読んでいる方にとっては、「チームビルディング」の視点で読めて新たな発見があります。私は本書を読みながらアニメを全話観て、さらに気になって漫画まで買ってしまいましたが、チームビルディングの視点で読み返してみると、やはり作品を読む視点が変わります。
今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則ー『ジャイアントキリング』の流儀
ちなみに、楽天大学とは、楽天市場に出店する店舗の方々に向け、「フレームワーク(考える仕組み)を提供する」というコンセプトで設立されたサービスです。
ジャイアントキリングとは
ジャイアントキリングという言葉はサッカースラングで「大金星」「大番狂わせ」を指します。弱小チームが強豪チームに勝つことをいいますが、本書では「まわりの期待値を超える成果を生み出すこと」と定義しています。「本書のトリセツ」と書かれた冒頭部分では「こんな悩みをお持ちの方へ」というチェック項目があるのですが、今まで所属してたどの職場でも「ああ〜あったなぁ」と頷けるものばかり…これにチェックが入っているうちは、「チーム」ではなくて「グループ」。ほとんどの会社が、これに該当するのでは!?とすら思ってしまいます。
チーム成長の法則
本書では、チームが成長する時期を4つのステージに分けています。新たなプロジェクトが始まった時や新しいメンバーが入った時など、人が集まった「フォーミング(形成期)」、各自が自己主張を始める「ストーミング(混乱期)」、ビジョンや規範が共有されパフォーマンスが上がる「ノーミング(規範期)」、チームのメンバーが阿吽の呼吸で動き、伝説になりそうな大きな成果も期待できる「トランスフォーミング(変態期)」です。自分のことに当てはめて考えると、王と一緒に事業を初めて3ヶ月…今は色々意見を出し合っている「ストーミング」の時期かなと思います。
ネガティブ発言はせずに、お互いの強みを活かす
4つのステージをスムーズに昇っていくためにマスターしたい視点・技術として、本書では「チームワーク7つの力」を提唱しています。なかでも、ストーミングステージの時に意識したいのが「1.1力」と「凸凹力」で、個人的にもこれから意識していきたいなと思う視点でした。
「1.1力」とは相手の自己重要感を高めて、普通の状態よりちょっとポジティブにする力です。否定の意味が込められた「なんで◯◯したの?」という言葉を禁止して(これ耳が痛かったです)、「どうして出来たの?」というように、できるだけポジティブな理由を問うようにしよう、と提案しています。また、この他にも、「声をかける」「受け入れる」「相手をよく見る」「意味を与える」の4点があります。コミュニケーションの基本かもしれませんが、自分がどの立場にいても大切なことなので、改めて意識して実行していきたいです。
「凸凹力」とは、自分の強みを発揮して成長し続ける力のことを指します。凸は強みで、凹は弱み。凹も含まれている理由は、「自分の凹は誰かの凸を活かすためにあるから」だそうです。これは新鮮な視点でした。
自分の強みを見つけよう。Strength Finder
ただ、転職や就職の面接などでもよく聞かれますが、自分の強みと弱みを改めて考えてみると、なかなか答えられなかったりします。そこで、強みを発見するために有効なのが「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」です。本についているコードを入力し、webから40分ほどのテストを受けると自分の強みトップ5が出てきます。研修で2年ほど前に受け、同じ部署の人たちとワークショップもしたのですが、意外な一面が見れてお互いをよく知るきっかけになりました。私は仲の良い人、仕事上で関わりが深い人にはプレゼントして結果を共有しあっています。今まで5人くらいの人にプレゼントしました。私の強みはポジティブ、最上志向、社交性、コミュニケーション、包含です。一緒に事業をやっている王と一つもかぶらないので、きっと良いコンビのはず。
自分たちの成長ステージに合わせて、チーム作りのヒントが沢山詰まった一冊です。折にふれて読み返してみたいと思います。