先日書いた「フリーランス1年目の確定申告:準備編」で、開業から確定申告の基礎知識を身につけるまでの過程をまとめました。その際、書籍には記載されていないような細かい疑問が出てきて、都度知人に聞いたりfreee(フリー)のサポートサービスに連絡して解決をしました。
一般的な疑問ではない、自分だけが悩んだことかもしれませんが、今回疑問に思ったことと、その解決までをまとめていきたいと思います。
疑問一覧
- 配偶者を青色事業専従者にしたい場合はどうすればいい?
- 事業のお金と生活費の棲み分けはどうすればいい?
- 開業時に簡易簿記形式を選択していたが、複式簿記形式に変更できる?
- 税理士さんにチェックしてもらう場合、いくらくらいかかる?
1. 配偶者を青色事業専従者にしたい場合はどうすればいい?
夫の王が退職し一緒に仕事をすることになったのですが、「配偶者が一緒に事業をする場合は、どうすればいいんだろう?」というのが最初の疑問でした。個人事業主の夫(妻)・子供・親…など生計を同じにしている人が事業を手伝う場合、彼らは「青色事業専従者」と呼ばれます。支払ったお給料を経費にできるという特典があるため、節税対策としても勧められており、届出を出せるのであれば早めに提出したほうが良いです。
1designの場合、王は国籍が中国なので、ビザの切替や何か手続きはいるのだろうか?という疑問もあったのですが、この点に関しては特に届出は必要ありませんでした。
青色申告専従者給与に関する届出書
繰り返しになりますが、青色申告を選択すると、生計を一にする配偶者や親、子供などを雇い給料を払い、その給料を経費として計上することが可能です。届出のタイミングには下記の3パターンがありますが、一般的には専従者となってから2ヶ月以内と考えておけば良いでしょう。
- 開業した年の、3月15日までに届出を提出
- 期の途中で開業する場合は、開業から2ヶ月以内(※開業したタイミグで専従者がいるケース)
- 期の途中で開業し、後に専従者ができた場合は、2ヶ月以内(※10月1日の場合は11月30日までに)←今回はこのケース
支払う金額は、その人の経験年数や職種によって異なりますが、あまりに現実とかけ離れた金額は認められません。無理のない範囲で、上限の金額を書いてくことをおすすめします。少なめに書いておいて多めに払うことは認められませんが、多めに書いておいて少なく支払うことは問題ないためです。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
給与を支払う場合、源泉徴収をして毎月税務署に納める必要があります。10人以下の従業員の場合は、この納める回数を半年に一回にまとめることが出来るため、該当する方は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することをおすすめします。毎月発生するものですが、少しでも忘れたり遅れると追加徴収があるため、半年にまとめて確実に納められると安心です。
2. 事業のお金と生活費の棲み分けはどうすればいい?
経費の支払いに関して、私は主に下記の2通りの方法で行っています。
- freee(フリー)と連動しているネットバンク(事業用口座)からデビッドカードで引き落とし
- ネットバンク(事業用口座)から数十万円をプライベート口座に移し、都度現金で支払い
2の口座に資金を移動する際は、元々「給与」という勘定項目を使用していました。私にとっては給与だし…という安直な理由です。しかし、本来は「事業主貸」という勘定項目を使用しなくてはいけません。
ちなみに、「事業主貸」とは個人事業主特有の勘定科目です。事業用のお金から個人用のお金に資金を移動した際に使用します。ペアとなる「事業主借」も存在しているので、詳しくはグーグル先生にお尋ね下さい。
生活費は「事業主貸」で仕訳
これまでは何となくプライベートの口座に資金を移動し、現金で経費を支払ったり生活費を支払ったりしていたのですが、事業の支出を事業主貸・借で行うこと自体は問題ないようです。
特に個人事業主の場合、プライベートのお金で経費を支払うということが多くなりがちなので、会計処理としては心配しなくても大丈夫でした。
ただ、余計な手順が多くなり複雑であること、各種レポートを確認した際に、勘定科目が「事業主貸・借」になるものが多く、確認しづらい部分が発生してしまいます。このため、出来れば事業の支出は事業の口座および現金から行い、プライベート資金での処理は時折発生する程度にしておくほうが、会計データの処理や管理としては簡単です。
「事業貸主が多いと、確定申告の時に悪い影響あるのかな…」という心配もあったようですが、この点も心配ありませんでした。月額20万円などきちんと決めている個人事業主の方もいるようですが、そこよりを気にするよりむしろ、「事業の経費にプライベートに含まれていないか」「家事按分の金額が多すぎないか」など、公私混同の経費になっていないかという点の方が重要です。
3. 開業時に簡易簿記形式を選択していたが、複式簿記形式に変更できる?
青色申告承認申請書を提出する際、「簡易簿記形式と複式簿記形式、どちらがいいんだろう…」と悩んだのですが、税務署の方に「とりあえずは簡易簿記形式を選択したら?」と言われ、「簡易簿記形式」をで提出をしました。しかし、「freee(フリー)を使えば複式簿記形式でも大丈夫そうだな」と思い、今からでも変更できないか…と思うように。簡易簿記形式では控除額が10万円、複式簿記形式では65万円のため、変更できるなら変更したいところです。
税務署の方に聞いてみたところ、「申告書では、あくまで”予定”を聞いたので、複式簿記形式で提出してもらって問題ない」とのことでした。
4. 税理士さんにチェックしてもらう場合、いくらくらいかかる?
ここまで自力で経理処理をしたり、調べたりしてきましたが、「本当にこれで大丈夫だろうか?」という不安があります。最終的なチェックだけしてもらう場合は、どれくらいの費用がかかるのかが気になったので、税理士さんに問合わせをしてみました。その際、活用したのが「freee 税理士・会計事務所検索」です。他にも税理士さんの比較サイトがありますが、こちらの検索からの税理士さんはどなたも印象が良かったです。
まず、確定申告に関しては下記の3つの段階があると教わりました。
- 領収書を登録する期中の仕分け(日々の業務)
- 家事按分・減価償却など決算の仕分け(決算だけで必要なもの)
- 確定申告書の作成
私は1と2のチェックも含めた申告書の作成になるので、だいたい6万円〜7万円かかるようです。もし一人で完結できそうであれば、頼まずに自分一人でやってみたいところですが、その道のプロである税理士さんに作ってもらえる他、「税理士の署名」もしてもらえるというメリットもあります。
残りの作業は、プライベートのクレジットカードで支払った経費をまとめ、PCの減価償却費を計算し、各種控除を差し引く、です。2月15日の提出スタート日に出して、余裕を持って申告を終えたいため、今月中にできることは終わらせたいと思います。