2018年4月25日発売の『剣道JAPAN(ジャパン) 2018 Vol.2[特集:若い剣士に期す!] (近代柔道5月号増刊)』で記事を執筆しました。
タイトルは、「ヨーロッパの若者が剣道をする6つの理由」です。こちらの記事はそのうちBUSHIZOで読めるので、興味のある方は誌面もしくはぜひwebで。
『剣道JAPAN』vol2. 若い剣士に期す、は誰に、何を届けたいのか
みなさまご存知の方が多いかと思いますが、『剣道JAPAN』は『剣道日本』の編集メンバーが再集結して作った雑誌です。
今回の特集テーマは「若い剣士に期す」。一体、誰に、どんな情報を届けたいのでしょう?
編集部の安藤さんに聞いてみました!
勝負だけではない魅力を伝えたい
今回の特集は、若年層の剣士に対するメッセージ色が強くなったそう。若年層とは、子どもから学生・20代あたり。勝負にこだわる年代の方々です。
年を重ねるにつれ、勝負に対する執着心が少しずつ薄れてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
剣道には、試合以外にも楽しめる要素があります。
試合以外の魅力を若年層の方にも知ってもらえれば、「試合に負けたからすぐ剣道から離れてしまう」という悲劇を少しは防げるのではないか、と安藤さんは思ったそう。
このため、今後を担う人たちに対して「こんな風に剣道と向き合ってほしい」「剣道をするならこんな人であってほしい」といったメッセージを、重鎮クラスの方や指導現場にいる方などに語っていただいています。
ただ、それだけではなく、3月の高校選抜大会で優勝した高校の選手、日体大の男女主将へのインタビューなど、若年層の選手が憧れ、身近に感じる方々にも意見を聞いたそうです。
ヨーロッパの若者が剣道をする理由を伝える意義って?
今回、安藤さんが私にヨーロッパの若者の意識についての記事執筆を依頼してくださった理由は、「彼らがどういった目的で剣道をしているのかを、日本の若年層愛好家に知ってほしいと思ったから」だそうです。
私自身はオランダで剣道をしていて、楽しいし、友達もたくさんいます。ヨーロッパの皆が剣道に真剣に向き合ってくれている姿を見ると、すごく嬉しい。
オランダ語はわからないし、英語も不自由なときがありますが、剣道を通してコミュニケーションを取ることができます。
一緒に稽古をして、試合をして、共に時間を過ごすことで分かり合えることは、初めて英語で外国人とコミュニケーションを取り、言葉が通じたときと似た喜びがあります。この楽しさを少しでも伝えたい、そんな気持ちになります。
しかし、日本にいる人達に届ける情報として、果たして需要があるのかな…という気持ちもあります。
ただ、剣道を続ける理由や楽しみ方のひとつとして国際交流もあるはず。
関わる人はいまは少ないかもしれないけど、いつか関わる日のために、少しでも情報を伝えていけたらと思います。
特に、いまの小学生・中学生・高校生・大学生に向けて!
当たり前ですが、世界はとても広いです。知らないことがたくさんあります。
ぜひ剣道を続け、それを武器の一つにして世界に出てみてほしいです。
若者の保護者のみなさまへ
今回の特集は、若年層だけではなく、その親御さん世代にもぜひ読んでいただきたいそうです。
親御さんにも勝負以外の剣道の魅力を知っていただくことで、「お子さんに剣道を勧めるもしくは剣道を簡単にやめさせない、心強いサポーターになっていただけるのではないか。勝ち負けだけでない楽しみや目的を見つける事につながれば、剣道から離れる事を少しは防げるのではないか」と、安藤さんは考えているようです。
みんなで文化活動を支えていきましょう
表紙では、「徳育」と謳っているのですが、「徳育」とか「人間教育」とかを運動文化のなかで堂々と謳えるのって、相当珍しいのではないでしょうか。このため、その部分をあえて前面に出したそうです。
剣道は、競技としても楽しいですが、日本人の多くの人が関わった経験を持つ文化活動のひとつ。私達ひとりひとりが、きっと文化の担い手です。
今回の『剣道JAPAN』は、その文化を絶やさず、伝えていくことを考えるきっかけになる号です。
ぜひお手にとってご覧になってみてくださいね! あと、ヨーロッパ剣道に関する記事の感想、送っていただけるとうれしいです!