日本人からすると意外な日本の魅力

オランダ国内には日本人コミュニティがある地域がいくつか存在します。
私が現在住んでいるアムステルフェーンは駐在の方も多く、また、アムステルダム市内には昔から住んでいる日本人・ハーフのご家族も。

オランダで剣道を続けているおかげで、日本文化に興味を持つオランダ人にもよく出会います。
今回は、そんなオランダ人たちとの交流を通して感じた意外な日本の魅力についてご紹介していきます。

性質が真逆なオランダ人と日本人

以前読んだ本に書いてあったのですが、オランダ人と日本人は性質が真逆だそうです。
オランダ人はダイレクトに物を言いますし、効率を重視するので日本みたいに目上の方に気を遣いすぎることがありません。個人主義の方が多いようにも感じます。
そういった性質の違いは、剣道の稽古を一緒にしている時もよく感じます。

例えば、剣道の試合の日。
日本だと集合時間をきっちり守って、きっちりチームで準備体操を行います。
オランダも、国外の大きな試合に出るときや世界大会、ヨーロッパ大会では揃ってアップをしますが、そうでない場合は、集合時間も特に決めず「開会式がこれくらいだから、これくらいの時間に行って、アップをしよう」と、各自が自分で判断してゆるい感じでスタートします。

「個人戦の場合はそれでいいと思うけど、団体戦の場合は皆の心を一つにするためにも全員で準備運動を方がいいと思うんだけどなぁ〜」とぼやいたら、在蘭歴の長い方に「オランダは子供の頃から日本みたいに団体行動をしないから、そもそも一緒にやるっていう発想がないのでは?」と言われました。
言われてみれば当たり前なのですが、自分が生まれ育った環境とみんなは違うんだ、とこのときハッとしました…。

”揃ってること”の美しさ

自分はどちらかというと協調性のない方だと思ったのですが、小さい頃から染み付いてる日本人の「団体行動の癖」みたいなものがあるんだろうなと思いました。オランダ人は個人主義でいいなぁと、この話をオランダ人の友人にしたところ、「でも、日本人て小学生とかがみんな揃って教室を掃除したりするでしょ?俺、あれってすごいことだと思うんだ。オランダ人だったら絶対やらないよ。清掃の人が全部やってくれる。自分たちが使うものに感謝して、みんながちゃんと掃除するのってすごいことだと思うけど」。

小学校の頃、掃除って本当にだるいなと思ってたので、この点が「いい」と言われるなんてちょっとした驚きでした。でも、言われてみればそうですよね。みんな文句を言ったりふざけたりしながらもちゃんと掃除してる…。

感謝の気持ちを現す文化

剣道って「礼に始まり礼に終わる」と言われるほど、礼をすごく大切にしてます。
道場入るときは道場に感謝して礼しますし、出る時も礼するし、稽古の前には上座と先生とお互いに礼して、稽古するときも礼してから打ち合いをします。

オランダ人からすると、この「ひたすら礼」もいいようです。
前述したように、オランダにはいくつか日本人コミュニティが存在しますが、なかには日本人がほぼゼロの場所もあります。
そんなエリアで子供向けの剣道教室を開いてる道場があるのですが、「よくここで剣道やろうと思ったな…」とビビりました。本当に日本人がいないんですよ。道場始めたのもオランダ人だし。剣道って、よく言えばサムライカルチャー、冷静に表現すると棒で叩き合って奇声をあげるアジアのマイナー競技ですからね。

気になったので、オランダ人の保護者の方に「剣道の何がいいんですか?」と聞いてみました。
彼女の答えは、「年長者が年少者を助け、教え合う敬いの心が美しくて良い」でした。

剣道って、防具つけたり道着袴を着るのもややこしくて大変なんです。日本人だったらまだ馴染みがあるかもしれないけど、オランダ人からすると「なんだこりゃ」ですよね。最初は全然うまくできないんですけど、年長者の子が小さい子を手伝ったり、気遣ったりして教えてるんです。

私が東京で所属してた道場では「先輩は後輩を助けること、後輩は先輩の言うことをよく聞いて、ついていくこと」と教えていました。合宿とか団体行動をとるときに、この教えがあるとすごく危険が少ないんです。おチビが勝手にどこかに行ったりしないし(実際には動き回って大変だが)。

本来は、輪を尊び、協調性を持つことは、効率よく団体で行動するためだと思います。また、目上の方が年下の人たちを大切にするから敬いの気持ちが生まれるのではないでしょうか。それが行きすぎると同調圧力になったり、行き過ぎた上下関係やパワハラになってしまうのかなと…。

まとめ

オランダ剣道の人たちと話していると「あー日本の考え方って、こんなところがいいな」とか、説明しなくちゃいけない機会が訪れると「この考え方ってそもそも何から来てるの?」と考えるきっかけになります。細かく決まった所作も、効率よく動くためで別に価値観の強制が始まりではないはずです。

昔からこう言われてるから、とか、偉い人や先生がこう言ったから、と思考停止せずに昔からある考え方を今一度考え直してみたいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。