横浜七段戦の帰り、ばんとう武道商店に立ち寄りました。以前Forbes JAPANに『武道具でO2O、そしてサブスクまでもくろむ、若き剣士の熱量』と紹介されてて、帰国した際は足を運んでみようと思っていたんです。
剣道の防具屋さんがForbesに出ていたこと自体も驚きですし、O2Oとサブスクなんて剣道と縁のなさそうな言葉が使われてて気になっていました。
代表の峰守さんは26才と大変若く、店内にも彼の世代を象徴するような新しさがたくさん詰まっていました。しかし、目新しさだけではなく防具屋さんとしても想像以上に面白く、良いお店で驚きがあります。せっかくなので様子を詳しくレポートしたいと思います。
目次
ばんとう武道商店の基本情報
ばんとう武道商店は、横浜市港北区「岸根公園駅」から徒歩5分、神奈川県立武道館の正面という好立地にお店を構える武道具屋さんです。
2019年にオープン、剣道具を中心に弓道・柔道・空手・薙刀用具などを取り扱っています。
「生涯剣道」が特徴の剣道。長い剣道生活に『ずっと寄り添える番頭さん』(=武士の参謀役)でありたいという願いを込めて名付けたそうです。
代表の峰守慶さん自身も剣道家で、小学1年生から剣道を続けています。ご両親ともに起業家で、小さい頃から起業を意識するのが必然とも言える環境で育ってきたそう。起業する前に、栄光武道具さんで丁稚奉公した経験もあるそうです。
お店の基本情報
- 店名:ばんとう武道商店
- 住所:神奈川県横浜市港北区篠原町1103-14
- 最寄駅:岸根公園駅
- ホームページ:https://shop.bantobudo.com/
- Instagram:https://www.instagram.com/bantobudo/
50種類以上!男女竹刀を取り扱い
お店の一番の特徴は「オーダーメイドの防具」なのですが、個人的にすごくいいなと思ったのが竹刀なので是非先に紹介させてください。
まず見てくださいこのスタイリッシュな店内!!取り扱い竹刀は50種類、さらに男子用と同じ数だけ女子用も取り扱いがあります。39女子用竹刀3種類しかない防具屋さんで買い物した後だったので感動しました笑
女性で剣道やっている人は男子に比べると少ないので、お店としては置くメリットが少ないと思うのですが、それでもあえて「男女平等にしたい」と取り扱いしているそうです。女性剣士の皆さん、ぜひ足を運んでみてください。
打ち心地がもっとも「快感」な竹刀を探せ!
竹刀の下には説明のプレートが。以下の情報が掲載されています。
- 銘柄
- 価格
- サイズ
- 真竹か桂竹か
- 男性用か女性用か(トイレマーク…)
- 価格
竹刀を選ぶときは、「柄の太さ」「重心」などを見ると思いますが、上の写真を見ると「打ち心地」っていう項目があります。軸左側が「普通」、右に寄っていくと「快感」て書いてありますね。一番「快感」寄りの竹刀は下記の銘柄だそうです。ぜひ探してみてください。
オーダーメイドで身体にフィットした防具を提供
ばんとう武道商店の最大の特徴は「オーダーメイドで身体にフィットした防具を提供できる」点。通常、防具は工場で製造され、問屋を通して小売店で販売されます。
しかし、ばんとう武道商店では問屋を介さずサイズ計測してから直接工場へ製造依頼を行います。
- 通常よりも細かい採寸
- 問屋を挟まず直接製造オーダー
- それらを体現する製造技術を持ったOEM工場
これによって、「ジャストフィット感」を実現しているそうです。人の体は千差万別。海外で剣道をしていると、特に外国人剣士たちの身体つきの違いを痛感します。2mの選手とかいますし…。自分の身体にぴったり合った防具を作れるのは大きな魅力ですね。
オンラインで継続購入できる仕組みを目指す
O2O(オーツーオー)という言葉をご存知でしょうか。マーケティング用語の一つで、オンラインtoオフラインもしくはオフラインtoオンラインの略です。
実店舗とWebを連携させ、購入の利便性をアップさせます。ばんとう武道商店が目指すのは後者のオフラインtoオンラインで、実際に来店・購入してもらってから、オンラインで自宅にいながらリピート購入できる仕組みづくりを目指しています。
例えば、竹刀に関していえば店内での試打しが可能です。気に入った竹刀ができたらWebから継続的に購入ができるのです。
この仕組みは、剣道界ではかなり珍しいのではないでしょうか。例えば店内で気に入った商品があっても、オンラインショッピングは対応していないというケースは多々あります。
「お客さんと心で繋がる」をモットーに運営
お店は「お客さんと心で繋がる」ことを大事に運営しているそうです。
具体的には、
・雑談しに来てくれるお客さん
・試合の結果報告に来てくれるお客さん
・先生に相談しづらいことを相談に来てくれるお客さん
こういったお客さんが増えてくれるように意識しているそう。なんとなく、小学生や中学生のお子さんがいらっしゃるお母さんなど相性がいいのではと感じました。
「剣道人口が減ってる、斜陽産業だ、と言われることもありますが、見方、見せ方を変えればとっても魅力がある業界が剣道業界だと信じて、頑張ります」と代表の峰守さんがおっしゃってたのですが、なんだかこの言葉を聞いてハッしてしまいました。
剣道に限らず「少子化」「労働人口も減少する」とか、物事のネガティブな側面に目がいきがちですが、減るもんは仕方ないのでその中で頑張るしかありません。自分より一回りも若い人が「魅力があると信じてる」と断言した姿には心動かされるものがありました。
まとめ
以上、2019年に開店したばんとう武道商店のご紹介でした。神奈川県内にお住いの方、県立武道館にご用がある方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう。