「ご縁と生きる」の英訳について考える


先日、菊池女子高等学校 剣道部の稽古に参加させていただいた際、顧問の緒方先生が色紙に「ご縁と生きる」と書かれていました。

日本語で読むとすっと入ってきるのですが、英訳してみようと思うと、ぴったりな言葉がなかなか見つかりません。

「ご縁と生きる」の英訳について考える

まず「縁」の英訳について調べてみると、

chance、fate、destiny、connection、relationship

goo辞書 英和和英

などが出てきます。

  • chanceは「機会」
  • fateやdestinyは「運命」
  • connectionは「つながり(ちょっと無機質な感じしません?)」
  • relationshipは「関係」

といったニュアンスがあって、でもどれもちょっと微妙な感じがします。

最初私はLiving with fateful connectionsと訳しました。

Living withは「〜と生きる」
fatefulは「運命的な」、connectionは「つながり」。
直訳すると、「運命的なつながりと共に生きる」。
fatefulを使うことで、connectionの無機質な感じがちょっと薄まるかな?とも思ったり。

オランダ人の友達は、Living together with fateと訳してました。運命と共に生きる、みたいな感じですね。

でも、そもそもこの「ご縁」という言葉に運命的なニュアンスが含まれるのか、含まれないかで、訳は変わってきます

緒方先生ご自身は、「縁は人、物、動物、景色…… 感性を揺さぶるすべての出会いを意味します」とおっしゃっていました。出会う人をリスペクトして、どんな人からも学ぼうとされてる先生らしい言葉だなぁと思います。

アメリカのおねえさまにヘルプを求める

私が尊敬するアメリカのおねえさまに訳のアドバイスをもらったところ、どんどんいろんな言葉が出てきました。すごい!どうやったらこのレベルに到達できるんだ…。

私だったらgo withe the flow of what life bring you とかもあり?fateって運命っぽくないっす?

フォレストガンプのlife is like box of chocolate っぽくもあり。

Life is about embracing what is brought to you とかは?

Treasure every encounter that comes to you なんかも。

どれも素敵なんですけど、私は最後の「Treasure every encounter that comes to you」が一番いいかも!と思いました。キャッチコピー感もあってスッと入ってきます。

一つ一つ単語の意味を解説します。

Treasure(トレジャー)

意味:尊ぶ、大切にする、愛でる、愛おしむ
ここでは動詞で使われていますが、名詞だと「宝物」と言う意味です。

Every(エヴリ)

意味:すべての

Encounter(エンカウンター)

意味:(偶然)出会う、遭遇する

comes to you(カムズ・トゥー・ユー)

訳:あなたにやってくるもの
この文節の直前にあるthatは接続の役割を担っています。

最初送っていただいた「go withe the flow of what life bring you」の中にflow(流れ)という単語もあって、ぴったりだなと思いました。

この訳を通して考えてたのですが、たぶん日本人の「縁」は、運命的なドラマチックなものじゃなくて、川の流れのように素朴で、漂ってくるような、サラサラした梨みたいで、でも小さな必然を含む出会いのことではないでしょうか。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。