「デジタルマーケティング」に革命を起こそうとしている「DMP」と「MA」について調べてみた

マーケット担当者プーティの悩み

 DMPはデータ・マネジメント・プラットフォーム(Data Management Platform)、MAはマーケティング・オートメーション(Marketing Automation)の略称です。「2015年、マーケターのキーワードは「ビッグデータ」/今後は「IoT」も【ジャストシステム調査】」を見ると「ビッグデータ」や「Iot」ほどの注目度はないようで意外でしたが、市場規模も拡大し徐々に注目が高まっています。一人一人の顧客に最適化されたサービスを提供することができ、マーケターの仕事を効率化する非常に便利なツールです。

DMP、MAとは?

 矢野経済研究所によると、DMPとMAは下記のように定義されています。

DMPとは、様々な販売チャネルにおける顧客の行動データを集約して分析することで、顧客の特徴を明らかにし、広告、メール、DMなどのマーケティング施策を最適化するシステムやサービスをさす。

MAとは、大量の見込顧客や既存顧客を一元化し、自動的に評価し、設計したシナリオに基づいて、シナリオを自動実行させ、顧客を個別に育成することで確度の高い商談を創出するシステムやサービスをさす。

引用:矢野経済研究所

 簡単に説明すると、DMPは顧客データなどを集めた巨大なデータベース(情報プラットフォーム)MAはそれを元に顧客ごとに最適なタイミングでコミュニケーションをするツールを指します。
 同社が実施した国内のDMPサービス市場/MAサービス市場の調査(※1)によると、DMPサービス市場とMAサービス市場を合算した2014年のデジタルマーケティングサービスの市場規模(事業者売上高ベース)は208億円2015年は前年比30.8%増の272億円になり、今後も拡大していく見込みです。

DMPとMAができること

 DMPは、データの統合・分析に強みがあり、厳密には「オープンDMP」と「プライベートDMP」に分類することができます。
 オープンDMPとは、各ポータルサイト、検索エンジン、各サイト、SNSなどでのユーザーの行動履歴や属性情報など、データ提供企業(第三者企業)が持つ情報を集めたものです。

 プライベートDMPとは、オープンDMPが扱うデータに、自社サイトへのアクセス解析や購買データ、メルマガ会員のデータなど、自社が持つ情報を組み合わせて管理するプラットフォームです。自社データを外部データとリンクさせれば、より細かな分析が可能になります。なお、最近MAとの連携で話題になっているのはプライベートDMPです。

 MAは、その名の通りマーケティング活動をシナリオ化して、自動化するツールです。webのアクセス履歴やメールマガジンの登録情報など、各顧客に対して、最適なタイミングで、最適なアプローチを行うことが可能です。たとえば、メールマガジンはA社、アクセス解析はB社、EC機能はC社のサービス、さらに営業からの情報も…と、ばらばらになったデータをまとめるだけでも時間を要し、戦略立案に集中できないというマーケティング担当者の方は少なくないのではないでしょうか。MAを活用すれば、各顧客により最適化されたコミュニケーションができるだけではなく、業務改革にも役立ちます。

 DMPの得意分野はデータの統合・分析ですが、広告やメール配信の仕組みは持っていません。一方、MAは広告やメール配信など自動化の仕組みを持っていますが、DMPほどデータ収集は得意ではありません。このため、マネックス証券やビズリーチのように、DMPとMAが連携して使用されています(※2)。

DMPとMAのニーズが高まっている背景

 店舗、人的営業などのオフラインでの接点に、オンラインチャネルが加わったことで、消費者と企業の接点は複雑化、多様化しています。マーケティング施策も、この変化に応じて細分化していますが、どの施策にどれだけ投資すればいいのか、分析した結果をどのようにアウトプットするのか…施策を統合的に管理・測定し、戦略を立案する必要があり、これらを一元的に管理できるプラットフォームが求められています。
 また、必ず来る!マーケティングオートメーションが必要とされる理由とその選び方にあるように、日々業務に追われるマーケターの仕事が効率化され、戦略立案に注力できるという点は大きな魅力です。一方で、導入には様々な部署が関わることや、ツール自体を使いこなせるようになるまでに時間を要すため、導入後のサポートまで細かく対応してもらえない場合、導入に対するハードルは高いのではという声も聞きます。実際に、大手企業で働くデータサイエンティストやマーケティング担当、エンジニアにも聞いたところ、「すでに導入して便利だが、使いこなすのに時間がかかる。」という声や、全社的にではなく、一部の部署から導入をスタートしているところもあります。

注釈

※1:調査期間:2015年9月~11月、調査対象:国内デジタルマーケティングサービスベンダーなど

※2:「プライベートDMP内蔵の国産マーケティングオートメーション「SATORI」が大手ネット証券のマネックス証券に導入されました。」「ビズリーチ、年内にプライベートDMPとMAを連携させたマーケティングプラットフォームの構築目指す

参考サイト一覧


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。