分単位での日報は生産性を上げるのか?作業内容の記録がもたらす4つの効果

会社勤めをしていた際、生産性向上のために15分単位で日報をつけていたことがありました。日報と言っても、細かく書くわけではなくExcelで15分刻みのタイムテーブルを作り、そこに作業した内容を簡単に記録していくというものです。15分あたりの記録時間は5〜10秒。もともとは、「人を雇ってください」というチーム内からの訴えに対して上司から「まずはチーム内での生産性向上を!」と生産性向上プロジェクトのアサインされた始まりでした。

生産性向上プロジェクトとは

生産性向上プロジェクト」とは、無駄を省き生産性を向上することで「人を雇わずとも今いるメンバーで大丈夫!」にするためのものです。通常業務でパツパツで会社に寝泊まりしていた時期に、全ての業務を分単位に分解して洗い出し無駄を省くという、よく言えばとても意義のあるプロジェクト、オブラートに包まないで言うと鬼プロジェクトでした。

詳細な内容は省きますが、タスクを細かく、数分単位にまで分解し、その中で生まれる無駄を洗い出します。このプロジェクトには他部署の方々も参加するのですが、第三者に意見やアドバイスをもらうと自分たちでは気づかなかった無駄に気付くことができます。忙しすぎて定例会に出れないことや顔が死んでたこともあったので「佐藤さん大丈夫?」と会議中に心配してもらえたこともありました。

このプロジェクトを通して思ったことは、本気で無駄を省くことを考えると、生産性がかなり向上するということです。IT系の会社は残業が多く、ブラックだとか腹立つとか自分も散々文句を言ってきましたが、会社側に頼らず自分できちんと時間管理をすることの大切さを学びました。

15分単位で日報を付けてほしいー。後輩や新しく入った人には実践してほしいとかなり言いにくかったです。実際、「15分単位でメモしてるほうが無駄では?」と言われたり、友達にはきもいと言われました。でも個人的にやってみて良かったです。

フリーランスになってからは暫く中断していたのですが、最近再開しました。15分単位とまではいかないですが30分〜1時間単位で作業を記録してます。
記録前よりもずっと仕事が捗るようになったため、実際の効果と記録の仕方についてまとめます。

作業内容の記録がもたらす4つの効果

作業内容を記録することで実感した効果をまとめます。

1. 作業時間の見積もり、突発作業の把握と予測ができるようになる

記録は予実管理形式で行います。前日もしくは当日の朝に予定を記入し、その予定は残したまま実際の作業内容を記載していきます。「予」定と「実」際を管理するから、予実管理といいます。

「何にどれくらいの時間をかけるか」を予測しても、実際に作業をしてみると予定通りには動けません。突発の作業が入ったりするからです。そしてこういう作業は記録していないと記憶に残らないことが多く、よほどインパクトがない限り3日も経つと忘れてしまいます。しかし、記録しておくと週にどれくらいの突発作業があったかの平均が出せるようになり、作業時間の見積もりが正確になります。

そして「◯◯にどうしてこんなに時間がかかったの?」とキレ気味で詰め寄られた時に、格段に答えやすくなります。忙しい部署の場合、上司の方が仕事内容の実際を把握しきれないことがあります。細かく記録をとっていると時間がかかった理由を明示することができますし、作業内容に改善の余地がある場合は記録を見せながら相談をすることもできます。

2. 時間(特に締め切り)を意識して仕事するようになる

時間の記録をするようになってから「意外と作業できる時間が少ない」と感じるようになりました。色々と作業がある場合や並行していくつものプロジェクトを進めている場合、一つのプロジェクトに1日にかけられる時間は2時間くらいです。また、集中力は10数時間も続くことはないため、「いま集中しなければ他にやる時間はほとんどない」と、締め切りや時間を意識して仕事するようになりました。

3. 客観的に自分の行動を振り返えれるようになった

実際に記録してみてそれを振り返ると、記録する前は気づかなかった自分の作業の無駄に気がつきます。記録を元に第三者に意見を聞きやすくもなるので、自分の仕事内容やスピードについて客観的に振り返えれるようになり、無駄が減りました。

4. 疲れにくくなった

これは一般的にあてはまるかわかりませんが、作業に追われメリハリがついたことから、疲れにくくなりました。また、夜遅くまで仕事をしていると時間が無限にあるように感じてしまいますが、予実管理表やGoogleカレンダーで管理すると、一日単位ではなく週間単位で考え時間配分をするようになります。制限を設け就寝の時間も意識するようになった点も影響しているかもしれません。
※ただ、明らかに業務量が多くどうしても終わりきらないこともあります(何回計算しても一日が30時間くらいないと業務が終わらないなど)。

記録のつけ方と振り返り方

Excelを利用する

会社勤めをしていたときはExcelを利用していました。15分単位で時間を区切り、予定と実際を記入する予実管理形式で日報をつけます。15分仕事をしたらぱぱっと画面をExcelに切りかえてメモをしていました。1週間分の予定と実際を記入し、週末には1週間の振り返りを行います。

Googleカレンダーを利用する

フリーランスになってからはGoogleカレンダーを使用しています。こちらは予実管理形式にするとごちゃごちゃしてしまうので、最初に予定をいれておき、実際の作業を上書きしていきます。

今日の気付き・良かったこと、今日の反省を数行でいいので記載する

毎日は難しくても、朝礼と終礼の時間を作ると毎日の作業を振り返ることができるのでお勧めです。終礼の際には、今日の気付き・良かったこと、反省を記録します。一日を振り返って見るとけっこうたくさんの出来事があります。これは意識的に振り返らないとパッと出てこないのですが、意外な気づきもあり、次の日以降の仕事に活かすことができます。

ルーティンチェック表を作る

これは会社員時代には行っていなかったのですが、最近、剣道道場の父兄の方に勧められた本に記載があり実践しています。掃除をする、挨拶をするなど、基本的なことも含め6つのルーティンを作ります。月〜日までの一週間、実践できたかを◯☓△でチェックしていきます。

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横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。