ふだんオランダに納税しているので日本の確定申告には縁がないのですが、2020年度分から青色申告者は電子申告をすると10万円分控除額が上乗せされると聞いたので、気になって調べてみました。私も元青色申告者なので…。
目次
2020年度分(令和2年度分)からの重要な変更点
国税庁が出しているPDFによると、
- 青色申告特別控除額が65万円→55万円
- 基礎控除が38万円→48万円
に変更になるそうです。青色申告特別控除額は10万円減額されますが、基礎控除が10万円アップするので差し引きはゼロです。ただし、e-Taxによる申告(電子申告)をすると青色申告特別控除の金額は65万円のままになるので、控除額が10万円分アップします。10万円分の控除はでかい…!
個人事業主が節税を考える上で重要なのが、控除と経費だと思ってます。一年間の売上から経費と控除を差し引いた金額に税率をかけるので、差し引けるものは差し引きたいところです。そして青色申告を選択するメリットの一つは、控除額の大きさと言っても過言ではありません。
2019年度分から電子申告の準備を
まだ日本にいた時に電子申告にトライしようと思ったんですけど、途中で挫折しました。まずちょっと準備が手間なんです。現在も同様ですが、電子申告をするためにはICチップ入りのマイナンバーカードとカードリーダが必要です。これは電子認証をするためだそうです。私が電子申告やろうと思った時はカードリーダ買わなきゃいけなくて。最近は機種によってはスマホで読み取り対応しているみたいです。
マイナンバーカードとカードリーダを準備したら、国税庁のe-Taxのページから登録を行ってIDとパスワードを取得します。ちょっと前まで、なんとMac非対応だったんですけど、現在は対応済みです。挫折した理由はMac非対応だったのが理由だったので、私同様に途中で諦めてしまった人もいるのではないでしょうか…。
最近はインターフェースもわかりやすくなっていて、電子申告スムーズに終わったというブログ記事もいくつか読みました。
会計ソフトの電子申告対応状況
会計ソフトを普段利用している場合は、そのデータを手間かけずにe-Taxに反映したいところです。またここでもMac問題があるのですが、代表的なクラウド会計ソフトの対応状況を調べてみました。
マネーフォワード
「Q. 「e-Tax」での申告には、対応していますか?」によると、e-Taxソフトのインストール型での確定申告に対応しているそうです。データファイル(xtx形式)をダウンロードして、e-Taxソフトにアップロード可能。ちなみにWeb版のe-Taxには非対応とのことです。
参考:『e-Taxソフトとe-Taxソフト(WEB版) – 国税庁』
会計freee
「確定申告書類をe-taxソフトで提出する」によると、マネーフォワードと同様にe-Taxソフトのインストール型に対応したデータファイルのダウンロードが可能です。Web版のe-Taxにも対応しているようですが、推奨はされていません。
これはfreee上でマイナンバーを入力できず、Web版e-taxでは取り込んだxtxファイルを編集できないためだそうです。マイナンバーが無くても申告自体は受理されますが、税務署から確認の連絡が入る場合があるそうです。
ちなみに、freeeでは作成した確定申告書類をアプリを介してe-tax上に申告できます。WindowsだけではなくMacにも対応している点は非常に便利です。
やよいの青色申告
老舗の弥生会計もクラウド会計のサービスを提供しています。「e-Taxでの申告はできますか? 」によると、Windows・Macともにe-Taxに対応したデータのダウンロードは可能ですが、freeeのようにアプリを介してe-Taxと連携することはできないようです。
まとめ
いずれの会計ソフトを使う場合も、e-Taxに登録してID・パスワード取得は必須になりますし、ICチップ入りのマイナンバーカードも作らないといけません。確定申告の時期はバタつくので、今年のうちから準備しておくと来年慌てないで済むのではないでしょうか。
Macユーザーに一番優しそうなのはfreeeかな…。会計士さん・税理士さんに指定された会計ソフトを使う方もいると思うので、来年の電子申告と控除の話を今からしておくといいかもしれません。
おまけ
控除や確定申告について知識を身につけるのに手っ取り早いのが書籍です。以下の三冊おすすめ。