22歳で働き始めたので、もう今年で社会人生活は14年目。10年前からずっと使っているメールアドレスがあって、仕事・プライベート・企業からのメルマガなどいろんなメールが残っています。
そのなかで、私にとってずっと特別で、消さずに残している1通のメールがあります。広告会社に勤めていたときのお客さんからいただいたメールです。転職のご挨拶を送ったときに、お返事でいただきました。
この頃は、とにかく色んな経験をして社会人としてステップアップしたいと考えていました。「一生懸命働いて、勉強して、そしていつか海外に出たい」…退職の報告とともに、自分のそんな展望も書いたんだと思います。
メールには、いままでお世話になりました…から始まり、こんなことが書いてありました。
目標を諦めずに頑張れば、いつかはチャンスがくると思います。私は「偶然」というものはないと思っていて、自分の身の回りに起こることは、どこかで自分が引き寄せ、導いてきたものだと信じています。
このメールをくださったお客さまもずっと海外で働きたいと思ってて、やっと叶ったのは30代の後半だったそうです。
「とにかく、いま自分がやっていることに自信を持つことが大切だと思います。自信は成功につながると思います」ともありました。
嫌な会社だったり、自分がハッピーではない環境にいると、知らないうちに負のオーラがでて、いいチャンスがまわってこなかったりするので、いつも自分に自信をもって、笑顔で楽しく毎日を過ごすことが一番だと思います。
そして、自分が何をやりたいのか忘れないで、少し遠回りしたとしても、いつも夢を諦めないで。
この方は、私より10歳以上年上の女性なのですが、ひとまわり年齢が上の方に「夢を諦めないで」と言っていただいたことは、なんだかすごく嬉しくて、尊いことのように感じました。
面と向かっても、そうじゃなくても「夢を諦めないで」と言える大人は、どれくらいいるんでしょう。ここでいう「夢」は、「目標」や「成功」とも少し違って、ちょっと大袈裟かもしれないけど、「生きることに対する希望」に近いものだと私は思ってます。妥協せずに、自分の理想を追うことです。
あと、ダメだと思ったら無理しないで、「あきらめる・辞める」ことができて、次を探すのもその人の能力だと思います。人生は1度しかないし、自分に合わないことや嫌なことをずっとやってしまうのは時間の無駄になってしまうので。
最後は、私の仕事ぶりを褒めていただいて、「これからも何かあれば、いつでもメールください。では、また!」と爽やかに締めくくられていました。
一緒にお仕事させていただいた時の、佐藤さんのバイタリティーにはとても感心させられました。郵便にも毎回お手紙を添えていただいて。とても「愛」のこもったお仕事をする人だなって思ってました。素晴らしいと思います!これからもぜひ「愛」のこもったお仕事をしてくださいね!
当時は今以上に未熟で、仕事も足りないところばかりだったはずなのですが、それでも良いところを見つけて褒めてくださって、めちゃくちゃ嬉しかったんですよね。たった一人の読者である私に向けて、言葉を選んで、心を込めてわざわざ書いてくださって、私なんかよりずっと愛があると思います。
このメールは本当にインパクトがあって、私の心にずっと残っています。特別なメールだから絶対に消さないし、そんなメールは他にありません。
社会に出てから色んな人に出会って、意地悪をされた嫌な思い出もあります。でも、そんな出来事がかすむくらい、誠実で愛のあるメッセージは鮮烈に心に残って、何年もずっと支えてくれます。
社会の尺度に惰性で合わせない、遊び心を忘れない、成熟した子供のような大人になりたいと、このメールを読んで強く思いました。
本当に嬉しかったんですけど、それを伝えるだけの言葉を私は持っていませんでした。
そう思うと、もしかしたらあなたが発した愛ある言葉が、他の誰かを何年も支えているかもしれないですね。
何年経っても人の心に残るくらい、誠実に相手に向き合って、良い仕事がしたいものです。社会の評価とか、インパクトのある数字も大事だけれど、誰か一人の心に何年もずっと生きているような行動って、本当に素晴らしいものだと思うんです。