私が愛読している戸塚道場 槌田先生の『翔き錬成会』ブログ。9月12日のエントリ「想像は事実に変化する」にこんなことが書かれていました。
静岡のある先生から教えてもらった事…
『想像は事実に変化する』
“剣道を知らない保護者は想像するしかない。
指導者は想像させないように努める事”
一人一人に想像させないのは厳しいですが、想像を軽減するためには情報が必要…
保護者向けの情報発信が必要という事で、本ブログはその一つかと…
例えば…保護者からの目線として…
“あの先生は、子供によって接し方や教え方が違う…好き嫌いがあるんだろう”
これが保護者内に広まると…その先生は好き嫌いで教える先生である…という印象は定着し、半年も経てば、1番最初の出所が想像だった事は忘れ去られ本件事実化します…
そうやって指導者と保護者の見解は食い違ったまま…それがベースになり何かあれば不信感の引き金になる…
私自身、仕事でも人間関係でも、
- 誰かの行動
- 書いた言葉
などを元に、勝手に想像してしまうことがあります。
例えば、最近X(旧Twitter)でこんなつぶやきがありました。
剣道インスタグラマーを自称する女性Tの稽古会や活動に違和感を感じる。子供達のためと言いながら、これ自分が有名になりたい、人気者になりたいというのが動機だと感じる。発信している内容からも、承認欲求の塊である事が分かる。不快なのは私だけだろうか
— Mr.剣士 (@UtAy0YwYuUlMufE) September 11, 2023
想像以上に共感して下さる方が多い事が分かりました。剣道や子供達をそういう動機でネタにして金儲けに利用しないでほしい。不愉快に感じる人が沢山いる事を知ってほしい。調子に乗りすぎだと思います。#承認欲求を満たすために#剣道を利用するな https://t.co/nhbTS2NHVi
— Mr.剣士 (@UtAy0YwYuUlMufE) September 12, 2023
誰かが何かを感じることは止められないし、自由だし、そこについて何かを言うことは好きではありません。ただ、「承認欲求を満たすために剣道を利用するな」とか「発信している内容からも、承認欲求の塊である事が分かる」と決め付けられてしまったら、言われた方はショックだろうなと思います。
先日、ふとタイムラインに流れてきて、なるほどと思ったことがあるのですが、他人と自分の間には、1本ではなく、2本の境界線があります。自分の境界線の内側は「自分が感じること」、相手の境界線の内側は「相手が感じること」。境界線の間に、お互いの気持ちを出し合って、確認し合うことで、意見や考え方が違っても「あなたはこう感じるんですね」と健全にコミュニケーションを取れる、という話でした。
例え不快に思ったとしても、相手の線を飛び越えて傷つけるようなことは、言わないほうがいいんじゃないかなぁと個人的には思います。私も不快に感じて、めちゃくちゃキツいことツイートしてしまったことがあるので、自戒の念も込めているのですが…。
少し話が逸れてしまいましたが、この一連のやりとりを見た後に、こんなつぶやきを見ました。
世の中って難しい。
— きょうか店長 (@bushizo_kyoka) September 14, 2023
だって色んな人がいるんだもの。
「剣道具売ってんのか女売ってんのか分からない」って書かれたんだけど、、
凹んだし、普通に悲しい。私そんなに打たれ強くないって。。
「女売る」って何?CAや芸能人と同じ感覚で捉えてOK?
とりあえず焼肉食べて元気出そっ pic.twitter.com/FW9sPqmcg7
「女売ってる」も結構強い言葉です。先程のツイート同じように、Twitterで割と拡散されたのかな?とか、投稿に悪意を持ってコメントしたのかな?と、想像しました。そしてこのツイートを引用して私はこんなツイートをしました。
感じることは人それぞれだから、誰が何を感じるかについては否定はしません。でも、相手を侮辱するようなことを言ったり、意図して社会的評価を下げることは違うのではと個人的に思うし、品がないように感じます https://t.co/QGlHHPHZCi
— 佐藤まり子 (@mariko_cabin442) September 16, 2023
でも、ある人から教えてもらったら、この「剣道具売ってんのか女売ってんのか分からない」っていうのは、本当にフォロワーも少なくて、日々の生活の中でポロッと思ったことを呟いているツイートでした。顔出ししてる女性の防具屋さんは他にもいるので、個人も特定するようなものでは全くありません。前後のツイートを見ても、何を見てこれをつぶやいたのか分からないし、貶める目的はなく、本当に思ったことをぽろっと言っちゃったんだろうな、という感じです。
例えば、防具屋さんのInstagramを見て、お、防具買おうかな、と思って、ザーッとタイムラインを見てみたら、防具の情報が少なくて、彼の視点で女性の写真ばかりだと感じ、がっかりして毒づいてしまったのかもしれません(何を見て思ったのか分からないから、これも想像)。「女売ってる」は言い過ぎだけど。
こんな風に、実生活の中でも仕事でも、人それぞれたくさんのバイアスがかかってて、それぞれの想像と解釈で物事を見ているんだろうなと思いました。誰か一方の視点から見たら地獄のように酷いことも、別の視点から見たら考え方が変わるかもしれません。
私自身も、誰かに言われた言葉に傷ついたり、悲しい思いをしたり、「どうしてわかってくれないんだろう」「どうしてそんなことをするんだろう」と思ってしまうこともあります。でも、きっと相手にも理由とか状況があるはずです。
昨今、SNSでの誹謗中傷とか、悪口に対して「嫉妬」「僻み」で片付けてしまう事例も多く見受けられます。でもそれって、自分が多様な視点を獲得する妨げになっていないかとか、視点が欠落しているが故に、自分の正義を振りかざす行為につながっていないかと疑問に思うこともあります。
嫌だなぁと思うことがあっても、自分の心の健康を害さない範囲で、「こういう視点もあるかも」と考えていきたいなぁなんて思った出来事でした。