オランダに来てビザを取得してから丸3年が経ちました。はやい!!!時が過ぎるのは本当にはやいです。
オランダに来てから1〜2年目の時は、生活の基盤を物理的・精神的に整えるのに精一杯で「これを達成したぞ」という実感もほとんどなく、「こんなにもコストをかけてオランダに来たのに、私何やってるんだろう」と自分の能力の低さにがっかりし続けてきました。こんなに自分に連続的にがっかりしたのは…初めてかもしれません。
同じような気持ちになる海外移住フリーランスもいるようで「費用対効果が低過ぎる…」というTwitterの呟きに強く共感したことをよく覚えています。
「まりちゃん、英語できるじゃん!」と言ってもらうことも多いのですが、そんなことないんですね。意思疎通はできるけど、日本語で発しているメッセージが500だとしたら私が英語で自由に表現できることは1くらい。こっちに来てから気付いたのですが、「日本語を話しながら」考えを構築しているところもあって、英語ではそれができないので非常に不自由に、もどかしく感じています。
言葉に自信がないと、態度にもそれは出るはずです。
「私」という人間の表現の幅も狭まってしまい、「私の強みって何なんだ」とか「個性を認識してもらうためにはどうすればいいんだ」など考えるようになりました。日本にいる時は「個性あるね」「変わっているね」と言われると「あなたは人と違う」と言われているようで嫌だったのですが、今は「個性」や「強み」が「ここ(オランダ)にいる意味」に直結するので、個性がないことが不安で仕方ないです。
一番大きな壁として立ちはだかったのが「仕事を通しての自分の表現」でした。今まで私は自分の専門性を突き詰めて考えてきたことがなく、怠けてきた部分と嫌でも向き合わなくてはいけなくなったんです。
結果として「ライター」としての仕事が増えてきたのですが、正直不安とコンプレックスだらけです。もともと専門でやってこなかったことや、プロダクションに所属していたこともないので、常に「これでいいのか」と考えたり、仕事の仕方も手探り。便宜上「ライター」と名乗ってるけど、仕事の本質も理解していないのにおこがましい…と思うこともありました。
そして、「書く」にしても、他の仕事をするにしても、仕事に対するコンセプトやビジョンを持っていなかったことをとても苦しく感じています。ただ発注していただいた仕事をこなすだけじゃなくて、一本筋の通ったコンセプトが欲しいと思うようになりました。これは仕事で取材をさせていただいたオランダの起業家やフリーランスの人たちからの影響が大きいです。
話を聞いて記事にまとめ、彼らのビジョンや魅力を伝えることが私の仕事なのですが、でも、私自身には何もないんですね。透明な存在みたいで、ただ話を聞いてまとめるだけで「本当に私って自分がないな…」とがっかりしました。
そんなわけで、最近の自分は「仕事もオランダでの生活もコンセプトを持つこと」が課題です。テーマやコンセプトを練って、形にしていきたいです。仕事って、自分が生きた証を残すことだと私は思っているのですが、できるだけ自分らしく、一つの作品みたいに残せたらいいなと思います。
ここ最近ずっと悩んでいたことの答えの糸口みたいなものが見えてきたので、その記録として書きました。