「旅するように暮らす」の現実


Instagramの広告や投稿などで綺麗な写真と共に「旅して暮らそう」みたいなメッセージが添えられています。海外の美しい街や海を眺めながら、Macbookを開いて非日常な空間で仕事する…みたいなイメージでしょうか。

ラップトップを持ち歩いて仕事をするようになってから15年くらい経ちますが、「うわぁ、すごくいい環境で仕事できてるなぁ」と思うこともあれば「これけっこう大変だな」と思うこともあります。

昨今は「旅するように暮らす」のいい側面ばかりフィーチャーされているような気がするので、国内・海外含め色々なところでノマド活動をしてきて大変だったことをまとめます。

①インターネットとコンセントが繋がらなければMacbookはただのアルミの塊である

新しい土地に行って最初にすることは、WiFiと電源の確保。カフェのネットを使わせてもらえるかわかりませんし、電源があるとも限りません。ネットがつながらなければ仕事は効率的に進まないし、電源がつかなければMacbookはただのアルミの塊です。

コワーキングスペースがベストですが滞在先にあるかわかりません。カフェで仕事する場合はセキュリティもしっかりしないといけないし、コーヒー1杯で何時間も粘るのも迷惑だから、そんなに長くいられませんし…。ホテルにずっと缶詰になることもあります。

②宿泊場所の検索と確保

「旅するように暮らす」には、国によっては割とコストがかかります。日本より物価が安い国であればいいですが、場所によってはめちゃくちゃ割高。最近、日本の国力が落ちてきてヨーロッパと比較して物価も安いので尚更です。

毎日高級ホテルに宿泊するわけにもいかないし(できれば最高だけど、その分稼ぎが必要)、案外ベストな宿泊場所を見つけるのにも時間がかかります。

③移動に時間がかかる

旅慣れてても、違う国の公共交通機関のルールを把握するのに割と手こずります。切符の買い方、ドアの開け閉め(手動のところもある)、そもそも電車やバスが来ない、など。的確に情報を掴んで目的地に到着しないと、移動に時間がかかって肝心の作業時間が減ってしまう、なんてこともあります。

あと、移動して仕事したらだいたい一日終わっているということもあるので「旅するように暮らす」の「旅」の部分は作業するカフェから見る景色だけ…なんてことも。私は作業時間が長い方なので、朝、1時間くらいランニングがてら街を走って観光を済ませます。

④想定外のトラブルが起こる

素敵な環境が目の前にすぐに用意されていればいいですが、自分で探したり、歩き回ったりしていると想定外のトラブルに遭遇することがあります。

お目当てのカフェが閉まっていたり、現地の人に絡まれたり、お巡りさんに怒られたり、スリにあったり、荷物が盗まれたり。そういうトラブルが起こると、仕事どころではありません。

⑤お金の問題

拠点が日本の場合、現地での支払いをクレジットカードにするのか、現金にするのか、という問題があります。クレジットカードだと割高です。かといって現金を持ち歩くのもちょっと面倒ですよね…。最近はキャッシュレスな国も増えていますし。

まとめ

以上が実際に旅するように暮らしてみた私の所感です。

旅するように暮らすってコストパフォーマンス悪いなぁって思います。高収益で時間に余裕がある人であれば、仕事半分・遊び半分にできるかもしれないけれど、お金に余裕がない場合は旅するどころか、かなりいっぱいいっぱいな暮らしになる気がします。


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横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。