日本とオランダ、フリーランスや働き方の違い

最初に前置きしておくと、この記事はあまり俯瞰的ではなくて、私がオランダで2年ちょっとフリーランスとして過ごして感じたことや驚いたことのまとめです。自分の個人(フリーランス)事業だけではなく、オランダ人の友達とも一緒に事業をやってて、仕事をする上でちょいちょい日本とオランダの違いを感じるので、その記録も兼ねて書き留めておきたいと思います。

オランダでの事業について

オランダで事業を立ち上げる際は、いくつか形態があって

  1. Eenmanszaak (個人事業/フリーランス)
  2. Vereniging onder firma(パートナーシップ)
  3. Besloten Vennootschap – BV (非公開有限会社)
  4. Naamloze Vennootschap NV (公開株式会社)

などがあります。日本からオランダに移住する多くのフリーランスは、①Eenmanszaak (個人事業/フリーランス)として事業登録をしていると思います。
私もオランダに来てからすぐに①Eenmanszaak (個人事業/フリーランス)の事業登録を行い、フリーランスビザの申請をしました。事業内容はライティングやマーケティングです。

そして昨年7月から、オランダ人の友達と一緒にKendo Vaultという翻訳・Webサイト制作事業をやっています。友人は日蘭ハーフで英語もうまいので、私と2人で組むことで3ヶ国語の記事作成と翻訳対応可能、WebサイトもWordPressで作る簡単なものなら作れます。最近、エンジニアの友達が入ってくれることになって、ECもいけそうです。オランダやベルギーなど周辺国のローカル決済導入も可能です。仕事の幅が広がってきて嬉しい!😭

どちらも個人事業なのですが、後者は共同創業なので②Vereniging onder firma(パートナーシップ)、私はオランダで2つ事業を持っていることになります。

個人事業を共同経営できる

まずびっくりしたのが、Kendo Vaultの仕事を始めるときに、当たり前のように「共同創業しよう」と言われたことでした。日本では「個人事業の共同創業」って聞いたことがありません。日本の開業届を見ても、事業運営者の記入欄は一名分しかないので、個人事業主として複数人で仕事をするのであれば、それぞれが個人事業主として登録して集まって、プロジェクトとして活動をしなければなりません。

Vereniging onder firma(パートナーシップ)は、日本の個人事業と法人・合同会社の間くらいに位置するものだと思います。設立の費用もかからず、個人事業に非常に似ています。複数人でスモールビジネスを開業したい場合はこの形態をとるようです。

フリーランスや起業は日本よりも一般的

また、友人と一緒に仕事をしていてよく耳にするのが「シェアホルダー」という言葉です。誰がシェアホルダーで、メンバーを加えたらシェアホルダーにするのか?など、友人間でけっこうナチュラルに「シェアホルダー」という言葉が出てきて驚きました。
シェアホルダーって、株主のことかと思ってたのですが、この場合は事業の権利を持っている人たちのことを指しているのかなと思います。友人たちはみんな剣道関係なのですが、日本では剣道の友達と「シェアホルダー」について話すことなんて皆無なので新鮮です。

人が使う言葉って、教育にもかなり左右されると思うので、学校教育で起業のこと教えたりするのかなど気になってます。何人かの友人に聞いてみたのですが、まだちょっと理由はわからないです。「理由聞かれても、自分たちにとっては自然なことだから」と言われました。その「自然」の理由が知りたいのよ…!

ただ、日本にも留学経験のある友人曰く、日本よりは起業や独立の精神的ハードルが低いそうです。世界最古の株式会社、東インド会社を作ったのもオランダだし、会社を作ったり独立することに抵抗がないのかもしれません。
OECDが出しているself-employment(個人事業主・フリーランス/会社員じゃない人)の割合をみてみると、日本が10.3%なのに対して16.7%。オランダの友人たちの中にも個人事業主(フリーランス)は多いです。

夕飯は家族と食べる

ここからいきなり夕飯の話で恐縮なのですが、この間、事業の運営に関する打ち合わせをしたんですね。開始は20時からで、私は当たり前のようにみんなで夕飯食べると思ってました。日本で仕事のこととか友達と20時に集まるってなったら、そこで夕飯食べますよね?!でも、私以外の2人は家でご飯食べてきて私1人が空腹だったんです。

これも仲間内のオランダ人から聞いたのですが、オランダ人は家族の時間を大事にしていて、家族で夕飯を食べるそうです。
友達と一緒に飲む場合も、家に一度帰って、ご飯を食べてからバーにくりだすそう。なので、日本みたいな居酒屋さんはないです。これはすごく健全だなぁと思いました。

そのほかは、事業始める前に契約書とか約束事をきちんと決めようという姿勢も強めな感じがしました。大学在学中に、授業の一環で個人事業を開業して販売やマーケティングまで経験した友人もいて、やっぱりちょっと日本と教育も違うのかな〜なんて思ったりしています。

ABOUTこの記事をかいた人

横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。