フリーランスになるには⑤ フリーランスと健康保険


会社を辞めてフリーランスとして働く場合、それまで加入していた会社の健康保険から国民健康保険に切り替える必要があります。
私は、会社を辞めてからわりとすぐ区役所に行って手続きをしました。その際、国民年金への加入も一緒に済ませています。

退職したら、国民健康保険に加入しよう

原則として、退職日の翌日から14日以内に国民健康保険に加入をしなければなりません。以下の持ち物を持って、最寄りの区役所に行きましょう。

  • 離職票や退職証明書(退職日がわかるもの)
  • 免許証やパスポートなどの身分証明書
  • マイナンバーが確認できるもの
  • 印鑑

国民健康保険の納付

国民健康保険の納付は、銀行口座から自動引き落としにするのがおすすめです。自動引き落としにしないと、いちいち振り込まないといけません。国民年金も、同じく自動引き落としにしておくと楽です。

また、住民税はその年度の納付書が届いた時に一括で全部振り込んでいました。フリーランスになると、これまで会社がやってくれていた事務作業を全部自分でやらないといけません。なので、振込や手続きは出来るだけ一回にまとめた方が抜け漏れを防げます。

国民健康保険の保険料

国民健康保険の保険料は前年度の所得によって決まります。また、各市区町村によっても微妙に金額が変わります。会社員時代の年収が高い場合、フリーランス初年度の保険料や住民税が思ったよりも高く、驚く人もいるようです。
さらに、国民健康保険に加入したら扶養家族分の保険料も納付する必要があります。会社員は会社が半分保険料を負担してくれる上に、扶養家族分も支払う必要がありませんが、フリーランスの場合は全額負担です。

給料が上がらない!とか、ボーナスが減った!とか、会社勤めをしていると色々文句も出てくるかもしれませんが、なんだかんだ保険料は半分負担してくれるし、交通費も出るし、さらにボーナスだって出ます。会社勤めって本当に手厚いなぁと最近思います。

会社の健康保険の任意継続も可能

ちなみに、扶養家族が多い場合は、勤めていた会社の健康保険を任意継続してもいいかもしれません。
任意継続の最大のメリットは、扶養家族分の保険料を納付しなくて済む点です。
扶養家族の1年の収入が130万円未満であることなど条件があるので、退職時に会社に確認をしましょう。健康保険の任意継続をすることで、会社が加盟している健康保険組合の特典を受け続けることもできます。

なお、任意継続したい場合は、以下の点にも注意が必要です。

  • 任意継続の手続きは退職後20日以内に行うこと
  • 任意継続をしてから1日でも保険料を滞納すると脱退対象になる
  • 就職して社会保険に加入した場合も脱退対象になる

フリーランスと国民健康保険組合

健康保険の任意継続の他に、国民健康保険組合への加入も選択肢の一つになるかもしれません。

国民健康保険組合とは、同じ業界で働く人たちを対象とした保険組合です。お医者さん、薬剤師さん、弁護士さん、税理士さん、美容師さん、クリエイティブ業界の方々など様々な業種を対象とした健康保険組合があります。

国民健康保険組合のメリットは、収入に関わらず保険料が一定であること。前述したように、国民健康保険に加入すると前年の所得に応じて保険料が変動し、収入が多ければ多いほど保険料もアップします。

例えば、編集・写真・アート関連の仕事をしている方は、「文芸美術国民健康保険組合」への加入を検討してみてもいいかもしれません。収入に関わらず保険料は月額1万6900円(2019年時点)です。ただし、組合に加盟する各団体の会員になって、団体にも年会費を支払わなければなりません。私の場合は、日本デジタルライターズ協会が一番近いです。入会する場合は、入会金と年会費を合わせて、デジタルライターズ協会に2万円支払う必要があります。

国民健康保険と確定申告

国民健康保険は控除の対象なので、確定申告時に所得から差引くことができます。確定申告は、自分で一年の所得・納税する税金を計算して申告する作業ですが、節税のためには控除を活用することが重要です。

計算に不安がある場合は、会計ソフトの利用をお勧めします。私は確定申告ソフトのfreeeを愛用しています。

番外編:フリーランス協会の賠償責任保険

健康保険とは少し話が逸れるのですが、フリーランス協会の賠償責任保険がすごいのでぜひご紹介させてください。

賠償責任保険とは、フリーランスの業務遂行上にありがちなビジネスリスクを幅広くカバーする、国内初の補償です。会社勤めをしていると、業務中の怪我をした場合や、人に怪我をさせてしまった場合、情報漏洩や物を壊してしまった場合など、個人ではなく会社が責任を取ってくれます。フリーランスや個人事業主は、個人で責任を取る必要があるため、フリーランス協会が提供している賠償責任保険は、いざという時に助けになるでしょう。

私は日本に住んでいないので入っていないのですが、もし日本でフリーランスを続けていたら絶対入っていたと思います。しかも年会費は1万円と手頃な価格で、フリーランス協会が提携する各種サービス・施設を優待価格で利用できます。

日本のフリーランスは、自分で色々切り拓かないといけないので大変だなと感じることもあります。なので、フリーランス協会がしている活動は社会的にもすごく意義があると感じます。

ちなみに、フリーランス協会は書籍も出版しています。上記は同協会が出しているムック本で、活躍しているフリーランスのインタビューや制度紹介などがあって面白かったです。他にも、フリーランスのデータベースサービスメディア運営、最近では未払い問題に対応するためのフリーガルがリリースされニュースになりました。

まとめ

前述した通り、フリーランスになったら健康保険に関することだけではなく、確定申告や事務作業、営業活動など全部自分1人でやらないといけません。
やることが多いので、自動化できることはなるべく自動化しましょう。健康保険料は自動引き落としにして、確定申告も会計ソフトを使うのがお勧めです。
また、リスク回避も自分で調べてやらないといけません。フリーランス協会はこまめに情報発信してくれてイベントも開催しているので、ぜひ無料会員登録だけでもしてみてください。


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横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。