私個人の視点でのオランダのコロナの状況

多くの場合、記憶とは曖昧なものです。自分では「こうだ」と思っても、細部が異なることも多々あります。記録していないと歪みが発生すると、私は思っています。なので、自分の身の回りで起こったこと、感じたこと、人々の行動について可能な限り記録したいと常々思っています。

12月15日(火)からオランダでハード・ロックダウンと呼ばれる施策がスタートし、私たちの生活に影響を与えています。ここ数ヶ月のことについて、自分が覚えていることを書き記したいと思います。

最も厳しいロックダウン

2020年12月14日(月)の昼ごろ、友人から「またロックダウンが始まる」とメールが来ました。NOSが発表した「Bijna alles dicht, harde lockdown tot en met 19 januari(1月19日までほぼ全てが閉鎖。ハードロックダウンの始まり)」のリンクが添えられていました。「政府の公式の発表の前だけど、ほぼ100%確定」とのこと。政府の発表の前にリーク的な形で民間に情報が出るものなのだろうか?と少し不思議に思ったことを覚えています。

その後、12月14日19時にオランダ政府が「Lockdown in order to minimise contact between people(人々の接触を極力抑えることを目的としたロックダウン)」と題して以下の声明を発表。

日本語訳して要約します。
「コロナウイルスが再び急速に蔓延し、ここ数週間で感染数が激増。1日あたり約9,000人に上り、医療全般に影響を及ぼしています。

この状況で一つだけはっきりしていることは、接触する人が多ければ多いほど、感染する可能性が高くなるということです。医療現場に配慮し、人との接触を可能な限り制限しなければなりません。このため、オランダでは12月15日(火)から少なくとも1月19日(火)までの間、最も厳しいロックダウンを行います。

スーパーなどの食料品店、薬局は営業していますが、博物館や美術館、娯楽施設は閉鎖。美容師、ネイリスト、タトゥーなど、医療以外で接触する職業は営業ができません。

初等・中等教育、中等職業教育(MBO)、高等教育機関(大学、HBO)は、オンライン授業に切替。保育所も閉鎖。

自宅に訪問できるのは、1日に2人までを推奨。ただし、12月24日、25日、26日は例外で、13歳未満の子供を除いて3人まで訪問可能。必要な場合を除き、3月中旬までは旅行をしたり、予約をしないこと。」

周囲にも感染者数が出始める

ざっくりとした比較なのですが、オランダの面積は九州と同じくらいで、人口は東京都と同じくらい。

以下の図は、Googleが出してる日別の感染者数の推移です。正確なところはわかりませんが、オランダは感染者数めちゃくちゃ多いんだ…と衛生面に関する自戒を持つために推移数をみています。日本も感染者が増えてきていますが、人口がずっと少ないオランダは4倍近いです。

一緒に仕事をしているオランダ人の友達が2回も感染し、とても痩せてしまいました。身近な人に陽性判定が出た人もいて、徐々に足音が近づいてきているような気がします。

周りの状況

秋口くらいから屋外でマスクをする人が増えました。夏頃までは、公共の場所などマスクが義務の場所しかしてない印象でした。でも、政府から「これまでで最も厳しいロックダウン」と発表があっても「これまでと変わらない」と言う人もいます。

「○○人」だからと一括りにするのはよくないことですが、文書に対する解釈が違うと思うことがあります。

例えば、私は「ハードロックダウン(厳しいロックダウン)」の単語を見ただけで「あ、これは重要だ。今までと違う」と思います。また「推奨する」と言われていたとしても、「文書であえて言及するくらいだから守った方が良い」と思います。日本だと、大体同じように考える人が多いのではないでしょうか。

しかし、オランダの友人知人は少し違うかもしれません。何人かは「今までと変わらない」「大丈夫」「推奨だから義務ではない」と言います。日本人だと、そんなこと言ったら周りに批判的に見られて陰口を叩かれると恐れ、思っていても言わない人もいるのではないでしょうか。

私の狭い交友関係の中での出来事なので、オランダ人全般に当てはまることではないです。ただ、コロナ渦でのエピソードの一つとして記録をしておきます。

あとは、1回目のロックダウンと比較すると目に見えて気持ちが緩んでいると思います。みんな、きっと状況に慣れてきているんですね。私も含めて。1回目のロックダウンの時は誰も外に出ていなくてステイホームを徹底していました。たまに外に出ると、普段は人で賑わうアムステルダムがひっそりとしていて、街が死んでる…と思ったことをよく覚えています。2回目の「パーシャルロックダウン」と今回の「ハードロックダウン」は、1回目ほどみんなビビってない、といった印象です。

夏のバカンスの時期には、旅行に行く人も多かったです。ヨーロッパの人々にとって、バカンスがどれだけ大事かを身をもって知った夏でした。

こんな状況でもフランスやらイタリアやらスペインやらに移動するんだから、そりゃ、ワークライフバランスで「ライフ」を大切にするよね。日本人とは、バカンスに対する気合いが違うと思いました。クリスマスの時期も自宅への訪問人数の規制が少しだけ緩和されます。

そんな感じのオランダの状況です(私観測)。シンガポールに駐在している友人からはめちゃくちゃ厳しい規制の話を聞いて、国によって対策が本当に異なること、国民性の違いを実感しています。まだまだ状況は厳しいですが、安全に配慮しステイホームで過ごしたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

横浜出身、オランダ在住のフリーライター&Webディレクター。ジャンルを問わないSEOライティングが得意です。ディレクションはLP・採用サイト・企業サイト・オウンドメディア、何でもやります。お仕事のご依頼は[marikoアット1design.jp]もしくはTwitterへ。[ID mariko_cabin442] 最近、剣道五段に受かりました。旅行と読書と寝ることと、漫画が好きです。細かいことを気にしない性格です。