アムステルダムやロッテルダムなどオランダの中心的な都市での不動産価格は高く、都内で一人暮らしする価格でルームシェアしなければならない、ということも多々あります。
日本と同様に、不動産検索サイトや不動産業者を通して物件を探すのですが、掲載物件の中には「住所登録可能な物件」とそうでない物件があります。
住所登録可能な物件とは
オランダに移住する際、必ず「住所登録可能な物件」に住む必要があります。本来、どの物件も住所登録ができるはずなのですが、人が増え住宅が不足し、本来登録できる人数を超えて人を住まわせている場合もあるそう。
私が初めてオランダにきた時に、市役所でもらったブックレットに「アムステルダムには180の人種がいる」と書かれていました。
もともとオランダに住んでいる人もいると思いますが、中には移民も多いはずです。移民が増えたことが、住宅不足や不動産価格の高騰の一因かもしれません。
住宅が見つからない問題
先日、アムステルダム市内に物件を持つ友人が、日本人向けに入居の募集をしました。月1,100ユーロ(約13万円)で、「一人暮らしの物件にしては高い」と私は感じていたのですが、すぐに入居希望の連絡が数件寄せられ驚きました。アムステルダム市内であれば、この価格は普通もしくは安いくらいだそうです。
ちなみに、私が初めて住んだ物件はシェアで月750ユーロ(約9万円)。アムステルダム市内までバスや自転車で30分近くかかる上に、昔は治安が悪い地域だったらしく、「Noord(住んでた地域)でこの価格なの?」と、驚かれたことがあります。Noordは最近アート関連のイベントが実施されたり再開発が進み、メトロも通っているので発展してきているのですが、それでもやはり高いそうです。
そしてこの問題は移民の私たちだけではなく、昔から住んでいるオランダ人の方々にも影響を与えています。
つい先日、ロッテルダムに住む友人がこんな話をしてくれました。
「付き合っている彼と家族になったら、今の家だと小さいから、もっと大きな家に引っ越さないと。でも、住宅を見つけるのって本当に大変。」
友人曰く、移民は高給取りの人が多く、彼らは高い家賃でも払えるから住宅価格がどんどんアップしているそうです。具体的に何かの統計データを見たわけではないのですし、私のようなフリーランス移民ではなく、企業所属の駐在を指していると思うのですが、もともと住んでいた人たちが住宅を見つけにくくなっている…というのは、なんだか申し訳ない気持ちになります。
オランダではボートに住んでいる人もいて、運河ツアーなどに行くとボートハウスをみかけることも多いです。イギリスでも、住宅価格の高騰からボートハウスに住む人が増えているとか。
友達と話しながら「日本も、本格的に移民を受け入れたら住宅の問題が深刻になるのかなぁ」なんてぼんやり考えました。いつか、もっと国と国の移動がスムーズになり、人も住む場所を今よりも自由に選べるようになったら、きっと魅力的な都市には人が集まり、もともといた人たちの生活を脅かしてしまうことが起こるかもしれません。