オランダに来てもっとも驚いたことの一つに「デーティング」なるものが挙げられます。
日本では、漫画でもドラマでも現実社会でも、大体は好きな人に告白して、お付き合いするというのが一般的な流れではないでしょうか。
しかし、オランダをはじめとするヨーロッパ各国には「告白」というものはないらしく、なんとなくいい雰囲気になって、恋人っぽいグレーな関係を数ヶ月続け、「ねえ、私たちって付き合ってるのかしら」みたいなことをどちらかが聞いて、パートナーになるらしいです。
その話、今年の初めくらいまで知らなくて、付き合ってそうな2人に「ねえねえ、●●と●●って付き合ってるんでしょ」と聞いて、場の空気を凍らせたことがあります。2人はまだデーティング期間中の微妙な関係だったらしく、珍しくみんなシーンとしてしまって、「あれ?なんで?」と完全に空気が読めないやつでした。まあ、普通に日本でやっても場合によっては空気読めない発言なんですけど…。
オランダ人の友達曰く「付き合いましょうってはっきり告白するのって、日本くらいじゃない?だって相手との相性もわからないし、デーティングみたいにお試し期間がある方がお互い不幸にならないよ」。
なるほど、言われてみれば確かにそうかもしれません。
さらに友人は細かく説明してくれました。「これはオランダだけじゃないよ。ヨーロッパは大体、この価値観だと思う」。話を聞いてみると、ベルギーやドイツ、ポルトガル、東欧の国も同様とのことでした。
「というか、日本人ははっきりものを言わない、察する文化って言われているけど、その他多くのことはグレーにするのに、なんで一番空気の読み合いが必要で察し合わなければいけない恋愛は白黒はっきりさせようとするの?」とも言われました。確かに。他にも、大衆浴場や温泉も不思議とのこと。「シャイな国民なのにみんな温泉は恥ずかしがらない」と言ってました。
「告白文化」はいつ生まれたのか
デーティングに衝撃を受けすぎて、調べたり友達と話したところ、日本も昔からこの告白文化があった訳ではなく、「ねるとん」やテレビの影響が大きく、どちらかが告白するという行動が根付いていったそうです。私は1985年生まれですが、恋愛漫画もドラマも、告白ありきの物語だったので、あって当然のものだと思っていました。
パートナーとの関係
もう少し調べて周りの人の意見を聞いてみたいなぁと思うのは、「結婚」に関する価値観です。
こちらでは同年代の友達で事実婚をしている人もちらほらいて、日本よりも結婚に縛られていないのかなと感じます。
デートアプリ・Tinder(ティンダー)
オランダ人たちがよく利用しているデートアプリにTinder(ティンダー)というのがあります。マッチングアプリなのですが、メンズの意見によると「これは遊び目的の奴が多いからおすすめできないぜ」とのこと。
ただ、ネット経由で知り合って付き合ったり結婚する人もちらほらいて、「顔をみる前にチャットだけして、気が合いそうだなと思って会って、付き合って結婚した」という人もいます。
LGBTについて
つい先々週くらいまで、アムステルダムでは大規模なLGBT関連のイベントがありました。
ゲイやバイセクシャル、レズビアンなど、個人の自由がずいぶん認められている印象です。友達に女の子を紹介しようとしたところ「ごめん、ぼくゲイだからさ!」と軽くカミングアウトされたこともあります。オランダに来る前に、LGBTに関するセミナーを受けたのですが、左利きや佐藤・田中の苗字の率と同じくらいの割合らしく、子供でさらに日本で暮らしていると息苦しいだろうな…と思ったことがあります。
私、たまに友達に恋人紹介をしてて、マッチング率がけっこう高いのですが、まだゲイの友達が少ないので、もし「ぼくゲイだよ」という人がいたらこっそり教えてください。紹介できそうな人がいたら紹介します。
そんな感じのオランダの恋愛事情でした!
オランダ人に言われて、当たり前だと思ってた告白文化が実はマイナー文化なのではと思うようになったのは驚きでした。他の国はどうなのかなども気になります。ラテン系の国は、また情熱的な感じがしそうですよね。