フォトグラファー：曽川拓哉さん

海外・日本で活動するフリーランスの日本人に、どんな仕事・生活をしているのか突撃インタビューする企画、「マリコの部屋」へようこそ！第4回は、フリーランスのフォトグラファー・曽川拓哉さんです。

人材系企業、IT企業、商社勤務を経て独立。本業の傍ら、好きな写真をずっと撮ってきた曽川さん。経験を積んで独立…というのはよく聞きますが、曽川さんの場合はユニークです。独立のきっかけは、知人に「スイスに写真撮りに行かない？」と声をかけられたことでした。

曽川さんが会社員時代からずっと撮り続けてきた写真

※ 写真は全て曽川さんが会社員時代から撮りためたものです。どれも素敵な写真です^^

会社員から突然スイスへ

ー何がきっかけでスイスに行くことになったんですか？

曽川さん（※以下、敬称略）：「スイスでの仕事は、知人からの誘いがきっかけです。会社員として働いていたので、スイスに行くのであれば仕事を辞めなければいけません。だから最初は断りました。でも、「とりあえず話を聞くだけでもいいから」って、半ば無理やり会って話を聞きました。

詳しく話を聞いてみたら、今を逃したら絶対できないユニークな仕事でした。もう二度とこんな話自分のところには来ないだろうな…と思ってしまったんです。

出発の2ヶ月くらい前になって、そろそろ行くなら決めないと……と言われた時にはもう気持ちが固まってましたね。

旅行でもなかなかいけないところに仕事で行けるし、撮影の経験も積める。もし帰ってきて仕事がなくてもなんとかなるだろうって軽い気持ちでした。」

曽川さんが撮る写真には、人間の温かさや優しさがよく現れている

スイスでの写真のお仕事

ースイスでは、具体的にどんなお仕事をしていたのですか？

曽川：「スイスでの仕事相手は、ツェルマットというマッターホルンの麓にある小さな町の写真屋でした。小さな町といってもスイスでは有名な観光地なんですけど。麓の町も標高が1600Mくらいあるんですが、職場は登山鉄道の終点の頂上。高さは3100Mくらい。最初は酸素が薄くて頭がクラクラになりながら仕事してました。」

曽川：「仕事内容は観光客の撮影です。
大きく3種類あって、フォトスタジオでの写真撮影、山頂付近での個人撮影、ツアー客の集合写真撮影ですね。どれも現像・プリントまで対応してました。スタジオにお客さんがいないときは外に出て営業したりもしてましたね。

スタジオの撮影はライトを2灯使った撮影で、グリーンバックに貸衣装を使っての撮影もできるスタジオでした。
日本人対応のために雇ってもらったんですが、有名な観光地なので世界各国からいろんな国の人が来てくれるんです。聞いたことない国名の人もいました。使う言葉やバックグラウンドが違うので、コミュニケーションにも工夫が必要です。意思疎通できないときは、ボディランゲージや翻訳ソフトを使って頑張って接客してました。

自分の仕事でチップをもらったのは初めてだったし、仲良くなった人からはビールや食事をご馳走になったり。逆に早くしろとめちゃくちゃ急かされて怒られたこともありましたね。」

現在のお仕事

ー日本に帰ってからは、どんなお仕事をしているのでしょうか？

曽川：「スイスでは夏の間だけ働いて冬はずっと遊んで暮らす人がいたり、自分で事業をやっている人、残業は絶対しないで仕事以外の楽しみに人生をかけている人がいて文化や働き方を考えるきっかけになりました。
そんなわけで、日本で改めて就職するというイメージが湧かなくなってしまい、今はいただいた撮影のお仕事をメインに生活しています。

主に撮影しているのはウェディング、プロフィール、イベントやウェブメディアのインタビューなど。」

曽川：「あとはライフワークとして、パラキャリ酒場というパラレルキャリアをやりたい人向けのイベントやメディアの運営もしています。
自分自身も会社員時代から副業で写真を撮ってきて、パラレルキャリアで働いてバランスをとってきたので、本業だけで息が詰まっている人やなにか新しい楽しみを見つけたい、という人の後押しができたらいいなという気持ちです。

もちろんここでもイベントの撮影はやってますし、パラレルキャリアを実践されている方へのインタビューもやってます。自分もすごく参考になってますね。」